モンテッソーリ教具「色板」を使いこなして色彩感覚をつけよう!【中級〜上級】
今回は、モンテッソーリの感覚教具「色板」の取り組み方、中級〜上級編を紹介します。
こんな方におすすめ
- モンテッソーリ教具の「色板」について詳しく知りたい
- 色板の「第3箱」を用意しようか、悩んでいる
- 子どもの色彩感覚の伸ばし方を知りたい
- おうちでできるモンテッソーリ教育に興味がある
対象年齢
モンテッソーリの「色板」の全体的な対象年齢は、一般的には2〜5歳頃ですが、3つの箱によって最適な対象年齢が異なります。

子どもが途中で飽きたり、グラデーションがぐちゃぐちゃになったりしたら、まだ教具の発達段階に達していないサインです。無理に続けず、敏感期を待つようにしましょう。
「色板」をやってみよう!
ここからは、色板の活用方法を紹介していきます。第3箱中心ですが、前段階として第1・2箱も活用してみてください。
【基本】7段階のグラデーション(Level★☆☆☆☆)
色の濃淡や明暗を見分ける活動です。最初は、子どもが好きな1色(7枚の色板)から始めましょう。
まずは、7枚の板をランダムに置きます。全体をじっと見渡し、「1番濃い色」を選んで左端に置きます。残った6枚の中から、「次に濃い色」を探し、先ほどの板の右隣に並べます。これを繰り返し、グラデーションの列を完成させます。

【中級】色板の応用活動
子どもの「洗練された色彩感覚」を日常生活や芸術に応用していく、色板の発展活動です。
1.色の記憶遊び(Level★★☆☆☆)
あらかじめ、離れた場所(別部屋やテーブルなど)に色板を1色ずつ並べておきます。子どもの前に1枚の色板を置き、「この色を覚えて、全く同じ色の板を持ってきてね」と伝えます。頭の中に「見た色」を思い出しながら、「同じ色の板」を選んで持って帰ってきてもらいましょう。
※「第3箱の記憶遊び」には教具が2つ必要となります。まずは第2箱から挑戦してみてください。
2.環境からの色探し(Level★★★☆☆)
まずは、第2箱(もしくは第1箱)を使い、事前に色ごとの物品を用意してカゴに入れておきます。子どもは、物品を色ごとに分類します。

色ごとに分類することに慣れたら、子ども自身に色板と同じ色の物品を「家の中から」探してもらいます。最初は「第2箱」の色板を使用し、最終的には「第3箱」の色板にも挑戦してみましょう。

お散歩に色板を持っていき、花や葉っぱ、石、看板などの色と見比べるのもおすすめです。子どもの視野を広げ、身の回りの環境を観察する「知的の目」を育てることができます。
3.色のグラデーション・サークル作り(Level★★★☆☆)
第3箱の色板すべて(63枚)を使った活動です。9色の「一番薄い(もしくは濃い)色」を円状に並べ、グラデーションで各色を並べていきます。完成すると、太陽のような大円盤が出来上がります。

圧倒的な美しさを体感することで、高い達成感と芸術的な感性が育ちます。
【上級】美術への発展
色板で洗練された「感覚(インプット)」を「自己表現(アウトプット)」へ繋げる活動です。
1.のり貼り・色塗り(Level★★☆☆☆)
色板のサイズに切った「色紙」を台紙に貼ったり、色鉛筆を使って「自分で塗る」といった表現の活動です。パターンカードや名称カードを活用すると、活動の幅を広げることができます。色鉛筆以外にも、クレヨンやクーピー、絵の具など、子どもの筆圧に合わせて道具を準備しましょう。


2.グラデーション作り(Level★★★★☆)
①透明なコップを3〜7つ用意し、同じ量の水を入れておきます。各コップに絵の具(原色)を溶き、その入れた量の変化でグラデーションを作ります。

②原色(赤や青など変化が分かりやすい色)と白の絵の具、3〜7マスの枠線を引いた台紙を用意します。台紙の左のマスに、原色「最も濃い色」を塗ります。白の絵の具を少しずつ加えてマス目に塗っていき、グラデーションの列を完成させましょう。反対に「黒」を混ぜるとどうなるか実験をし、トーンの変化を体感しましょう。

③1本の色鉛筆で筆圧をコントロールして、グラデーションを表現してみましょう。

3.名画のカラーマッチング(Level★★★★★)
色板から「名画の鑑賞」へと発展させる活動です。ゴッホの『ひまわり』など名画のポストカードと色板を見比べ、絵の中から同じ色が使われている色板を探して見ましょう。名画に慣れていない場合は、まずは同じ名画をペアリングすることから始めてみてください。

【上級】自然科学への発展
色板の活動で培った子どもの色彩感覚を、自然科学の不思議へと繋げる発展活動です。
1.色混ぜ実験(混色の理解)(Level★★★☆☆)
絵の具やカラーセロファン、粘土などを使い、色を混ぜて「新しい色」を作ってみましょう。混色の色チャートを用意しておくのがおすすめです。


2.虹の7色(Level★★☆☆☆)
第2箱の色板を使い、見本の「虹」を見ながら「色板の虹」を完成させます。色鉛筆や絵の具で、虹を描いてみましょう。

3.植物のグラデーション(Level★★★★☆)
第3箱の色板を、本物の植物(葉っぱや花など)とペアリングしたり、葉っぱを濃淡順に並べてグラデーションを作ってみましょう。

4.空色のマッチング(Level★★★★★)
空の色を観察し、同じ色板を探す活動です。遠くにある空の色と見比べることは、高い観察力や想像力が必要であり、レベルの高い作業となります。また、「1日の空の色の移り変わり」や「天気による変化」に気づくことで、自然科学への更なる興味・発展へと繋がっていきます。


【上級】言語への発展(Level★★★★☆)
色板の微妙な違いを、豊かな言語と結びつける活動です。日本の伝統色(藍色や桜色、若草色など)や、色から受ける印象(華やか、渋いなど)を言葉で表現してみましょう。

色彩感覚を鍛える道具
前述した「色板」の発展活動で使用している、おすすめの色彩教具を紹介します。
こんなに凄い!「色板」第3箱の知育効果
色板の「第3箱」を活用することで、子どもの観察力や脳の発達、情緒の安定にまで及ぶ多面的な知育効果があります。具体的な効果は、以下の5点です。
色板「第3箱」がもたらす効果
- 視覚の洗練
- 論理的思考力の形成
- 豊かな語彙力と表現力の習得
- 美意識(アートの感性)の開花
- 高い集中力と情緒の安定
①視覚の洗練
色板の第3箱「7段階のグラデーション」を経験することで、僅かな色の変化を見分ける精緻な目が育ちます。それにより、身の回りの環境(自然界)に目を向けて、微妙な色の変化に気づける豊かな感受性が磨かれます。

②論理的思考力の形成
バラバラの色板を、ペアにしたり明暗順に並び替えたりする活動を通して、頭の中で情報を分類・整理する「プログラミング的思考」を鍛えることができます。日常生活においても、物事を順序立てて考えたり、共通点を探したりすることへ繋がり、論理的思考力の土台となります。

③豊かな語彙力と表現力の習得
色板の活動により、「暗い」「明るい」「濃い」「薄い」「淡い」「鮮やかな」といった形容詞の違いを吸収します。これにより、自分の感じた世界を、言葉を使って豊かに表現できるようになります。

「濃いピンクと薄いピンク、どっちが好き?」といった日常会話からも、色の名前と表現方法を獲得できます!
④美意識(アートの感性)の開花
63枚のグラデーションを美しく並び終えたとき、子どもは強い達成感と共に「美しい!」「綺麗!」という感動を味わいます。この感動が美意識を刺激し、絵を描くといった表現活動において、優れた色彩センスを発揮させます。

⑤高い集中力と情緒の安定
色の違いを見分けるためには、じっと目を凝らして「全集中」する必要があります。この状態を経験した子どもは、満足感を得ることができると言われており、心が穏やかで落ち着いた状態となります。

まとめ
モンテッソーリ教具の「色板」第3箱について説明しましたが、いかがでしたか?
第1・2箱の色板で基礎を築きながら、色彩感覚の更なる洗練として活用してみてください。

