メタルインセッツとは?〜美しい文字を書くための手の準備〜
「ひらがなの練習はまだ?」
「鉛筆の練習をした方がいいのかな?」
そう思うことがあります。
でも、モンテッソーリ教育では、文字を書く前に大切にしている準備があります。
それが「メタルインセッツ」です。
図形をなぞるだけのシンプルな活動ですが、その中には、
- 指先の力
- 筆圧
- 手首の動き
- 集中力
- 美しさを感じる心
など、文字を書くために必要な力がたくさん詰まっています。
一見すると遠回りのように見えるかもしれません。
でも、モンテッソーリ教育では、この「遠回り」に見える準備こそ大切にしています。
今回は、メタルインセッツの目的や、おうちでできる手作り方法についてご紹介します。
メタルインセッツってなに?
メタルインセッツとは、「金属製の図形の枠を使って、図形をなぞる教具」です。
円形、楕円形、卵形、三角形、曲線三角形、正方形、長方形、台形、正五角形、花十字形の10種類があります。

一見すると、「図形をなぞるだけ?」と思うかもしれません。
でも、モンテッソーリ教育では、文字を書くための大切な準備として位置づけられています。
なぜ図形をなぞるの?
文字は、いきなり書けるようになるものではありません。
鉛筆を正しく持ち、適度な力で、手首をしなやかに動かし、線をコントロールする力が必要になります。
また、左手で枠を押さえながら、右手で鉛筆を動かすという、左右で異なる動きを同時に行う必要もあります。
これは大人が思っている以上に高度な作業です。
メタルインセッツは、「文字を書く」ためではなく、その前段階の「手の動きの準備」をしている教具なのです。

実は文字を書くことより難しいかもしれない
私はモンテッソーリ幼稚園に通っていましたが、実は一度もメタルインセッツを選びませんでした(記憶にないだけかもしれませんが・・・笑)。
- 難しそう。
- 重そう。
- なんだか敷居が高い。
そんな印象がありました。
今思えば、文字を書くことより、「正確に図形をなぞる」方が難しかったのかもしれません。
だからこそ、子どもが興味を持たないのであれば、無理に取り組む必要はないと思っています。
敏感期が来たときに、「やってみたい!」と自分から思えることの方が大切だからです。
メタルインセッツで育つ力

🌷鉛筆の持ち方
正しい三指持ちで鉛筆を持つ経験を重ねることで、文字を書く土台が育っていきます。
🌷筆圧のコントロール
濃すぎず、薄すぎず、一定の力で線を引く練習になります。
🌷手首の動き
直線だけでなく、曲線を滑らかに動かす力も必要になります。ひらがなを書くために欠かせない力です。
🌷集中力
枠からはみ出さないように、丁寧に線を引くことは、子どもにとってかなり集中力のいる活動です。何度も繰り返すことで、自然と集中する力も育っていきます。
🌷芸術的感覚
モンテッソーリ教育では、美しさも大切にします。色鉛筆で塗ったり、模様を描いたりすることで、「きれい」「美しい」と感じる心も育っていきます。
おうちでは手作りでも十分
正規の教具は重さがあり、とても使いやすい反面、価格も高めです。
高価な教具を用意しても、子どもが興味を持つかどうかはわかりません。
そこで私は、100均の材料を使って手作りすることにしました。

用意したものは、
- ホワイトボード
- EVAスポンジシート
- マグネットシート
- 強力マグネット
など。
全面が磁石でくっつくため、軽いのにずれにくく、子どもでも扱いやすいものになりました。
作り方✂️
ホワイトボードの内枠に合わせて、工作用紙を切ります。円形・楕円形・卵形・三角形・曲線三角形・正方形・長方形・台形・正五角形・花十字形の10種類の内枠(図形)も切ります。(※DAISOのスクエアホワイトボードだと、外枠は12.5cmになります。)

EVAスポンジシートを2色使い、外枠と内枠(図形)を切ります。私はホワイトボートの色をピンクにしたので、外枠は青色、内側の図形はピンク色を使いました。

マグネットシートマット紙も、外枠と内枠を切ります。


マグネットシートマット紙→工作用紙→EVAスポンジ用紙の順番で重ね、ボンドで貼ります。時間が経つと湿気で反ってしまうのを防ぐため、辞書や図鑑に挟んで、しっかりと乾かすことがポイントです。
瞬間接着剤で中心にマグネットをつけ、持ちやすくします。

コピー用紙などを12.5cm角で切り、お仕事で使う用紙を用意します。


外枠も内枠(図形)も、磁石で全面がしっかりとくっつくので、かなりずれにくい仕様になっています。

手作りのおすすめポイント
- 安い
- 軽い
- ズレにくい
- 好きな色で作れる
最初から10種類全部作らなくても、正方形や円だけでも十分。
興味を持ったら、少しずつ増やしていけばいいと思います。
上手に描くことが目的じゃない
大人はつい、「きれいに描けた!」「上手!」に目が向いてしまいます。
でも、メタルインセッツの目的は作品を完成させることではありません。
指先を使い、集中し、繰り返し楽しむこと。
その積み重ねが、やがて文字を書く力につながっていきます。
「書く」前に育っているものがある
音節あそびでは、耳で音を感じる力を育ててきました。
メタルインセッツでは、「手を動かす力」を育てます。
そして、その先に文字があります。
いきなり「ひらがな」を練習するのではなく、見えない土台を一つずつ積み重ねていく。
それがモンテッソーリ教育らしい、文字との出会い方なのかもしれません。

まとめ
メタルインセッツは、図形をなぞる教具ではなく、文字を書くための「手の準備」をする教具です。
上手に描くことが目的ではありません。
集中し、手を動かし、美しさを楽しむ。
そんな時間の積み重ねが、やがて文字を書く喜びにつながっていきます。
焦らなくても大丈夫。
文字を書く前に育っているものは、たくさんあるのです。

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