モンテッソーリ教具「色板」第1・2箱の重要性と活用方法【色彩教育】
今回は、モンテッソーリ教育の教具の一つである、「色板(いろいた)」を紹介します。
綺麗なグラデーションを作る「第3箱」だけでなく、その前段階として「第1箱」「第2箱」を活用する重要性について、解説していきます!
こんな方におすすめ
- モンテッソーリの「色板」を詳しく知りたい
- 色板の「第1箱」「第2箱」を用意しようか、悩んでいる
- 子どもの色彩感覚の伸ばし方を知りたい
- おうちでできるモンテッソーリ教育に興味がある
色板とは
「色板(いろいた)」は、モンテッソーリの感覚教具の一つです。
色の識別能力や色彩感覚を養うことを目的として、年齢や発達に合わせて「第1〜第3の箱」の3種類があります。

種類と目的
色板の形状やサイズは全て同じで、「色」の性質だけが孤立化されています。第1〜3箱のそれぞれの特徴は以下になります。

モンテッソーリ教育では、第1箱からステップアップして取り組んでいきます。
知育効果
教具を見比べると、どうしても「第3箱」が魅力的に見えます。しかし、色板の「第1箱」「第2箱」は、子どもの知性を育む土台として極めて重要な役割を担っています。
今回は「第1箱」と「第2箱」に焦点を当て、「第3箱」に進むための位置付けとしての役割や知育効果を解説します!
色板「第1箱」「第2箱」がもたらす効果
- 「視覚(色彩感覚)」の孤立化
- 頭の中の「秩序化」
- 「抽象化」と「言語化」の架け橋
①「視覚(色彩感覚)」の孤立化
色板は、形や大きさ、材質が全て同じに作られており、変化しているのは「色」だけです。子どもの脳は「形の違い」や「大きさの違い」に惑わされることなく、「色の違い」だけに集中することができます。第1・2箱を活用し、「色の違い」だけに感覚を研ぎ澄ませる練習が、その後の色彩感覚を伸ばしていく鍵となります。
②頭の中の「秩序化」
2歳半〜3歳頃の子どもは、身の回りの情報を整理したいという「秩序の敏感期」にいます。このタイミングを活かして、第1・2箱で「同じ色を合わせる(ペアリング)」という、最もシンプルな論理を学ぶことに意味があります。
無秩序に散らばった色板を自分の手で正しく並び替えることで、子どもは「混沌とした世界を自分の力で整理整頓できた!」という強い達成感と知的な快感を得ます。これが将来の数学的・論理的思考の基礎となり、「第3箱」の複雑な分類へと発展させます。
③「抽象化」と「言語化」の架け橋
色板の活動では、まず色板を手で触り目で見るという「具体的な体験」をした後に、「これは赤です」という言葉(抽象的な概念)を結びつけます。「あか」という言葉が、ただの暗記ではなく、自分の感覚で納得して獲得した使える言葉(語彙)となります。
これにより、日常生活の環境においても、「これは赤だ!」と自分で発見して言葉を使い、世界を認識する道具(知性)へと変わっていきます。
効果を引き出すポイント
色板を扱う上で、前述した知育効果を引き出すための重要なポイントが4点あります。
重要なポイント
- 色板は「木枠(持ち手)」を持つ
- 「色の違い」だけに集中できる工夫
- 言葉を使わずゆっくり見せる
- 間違いをすぐに訂正しない
①色板は「木枠(持ち手)」を持つ
色板は、色の部分ではなく、「両端の木枠部分」を親指と人差し指でつまんで持ちます。これは、色を指や手で隠さないため、また汚れを防ぐためです。まずは正しい持ち方を提示するようにしましょう。
②「色の違い」だけに集中できる工夫
子どもが自分の「目」だけで色の違いに集中できる環境を作ることが、最も大切です。教具を自作する際は、色以外の条件を揃え、余計な模様などは排除するようにしましょう。また、背景に柄があると色が見えにくくなるため、無地のテーブルや絨毯、トレイの上で行ってください。
③言葉を使わずゆっくり見せる
大人が手本を見せるときは、言葉は使わずに「指の動き」と「目線」だけでゆっくり見せます。「これが赤だよ」「薄いね」と喋りすぎると、子どもは「耳(聴覚)」に意識がいき、視覚の訓練になりません。
④間違いをすぐに訂正しない
子どもが違う色をペアにしても、すぐに「違うよ」と否定しないようにしましょう。子どもが自分の目で見て、間違いに気づくのを待ちます。また、間違いは発達段階にまだ届いていないサインでもあります。日を改めて提示する、ステップを飛び越えないようにするなど、子どもの発達に合わせた教具選びを意識しましょう。
対象年齢
モンテッソーリの「色板」の全体的な対象年齢は、一般的には2〜5歳頃ですが、3つの箱によって最適な対象年齢が異なります。

色板の「第1・2箱」は3歳前後におすすめですが、年齢が過ぎていても「第3箱」に繋がる教具として活躍できます。
色板をやってみよう【導入〜初級】
ここからは、色板の「第1・2箱」の活用方法を紹介します。
【導入】Step.1:第1箱(3色のペアリング)
最初は、赤・青・黄の3色(計6枚)を一致させましょう。
まずは、6枚の色板を同じ色が隣合わないようにランダムに置きます。大人が1枚を取り、子どもの目の前に置きます。子どもは残りの5枚の中から同じ色の板を見つけ、最初に置いた板の「右隣」に置きます。他2色も同様に行い、3つのペアができたら完成です。

【初級】Step2:第2箱(11色への発展と名称の導入)
11色のペアリング
【Step1】と同じルールで、今度は第2箱(11色)でペアリングを行います。色板同士でペアリングができるようになったら、パターンカード上の絵の上に色板をペアリングする活動にも挑戦してみましょう。

名称の導入
11色のペアリングができるようになったら、「三段階の名称法」で色の名前を正しく教えます。
三段階の名称法
- 【第一段階】名称の紹介(これは〜です)
- 【第二段階】認知の確認(〜はどれですか?)
- 【第三段階】名称の想起(これは何ですか?)
子どもが色の名前を完全に覚える前に「第三段階」に進むと、答えられずに自信をなくしてしまいます。「第二段階」に時間をかけてクイズを楽しむようにしましょう!また、子どもの脳が整理しやすいように、新しく紹介する名称は「3つまで」に留めてくださいね。
ちなみに、「色板」では日本語の正式名称として「桃(もも)」や「橙(だいだい)」が採用されています。幼児期に「正しい日本語の語彙」を習得するための、教育的アプローチとなります。
子ども自身が「桃色」と言葉にできなくても、「桃色=ピンクのこと」と理解できる状態を目指しましょう!
絵カード合わせ
色の名前が書かれた名称カードを用意し、色板と合わせる活動もおすすめです。ひらがなの理解が進んでいる場合は、子どもにひらがなを書いてもらいましょう。

まとめ
モンテッソーリ教具の「色板」、「第1箱」「第2箱」について説明しましたが、いかがでしたか?
第1・2箱で「ペアリング」や「識別」を十分にやり遂げることが、「第3箱」へ進むための土台となります。基本的な使い方を理解しながら、ぜひ自宅でも活用していただけたら嬉しいです。

