「ひらがなを教えよう」と思うと、ついワークやあいうえお表を用意したくなります。

でも、モンテッソーリ教育では、いきなり鉛筆で文字を書くことはしません。

まず大切にするのは、「文字と出会うこと」。

目で見て、指で触れて、耳で聞き、声に出す。

複数の感覚を使いながら、少しずつ文字を自分のものにしていきます。

そのための教具が「砂文字板」です。

今回は、砂文字板の目的や育つ力、おうちでの取り組み方についてご紹介します。

砂文字板とは?

モンテッソーリ教具の砂文字

砂文字板とは、「ざらざらした文字を指でなぞりながら、文字と音を結びつけていくモンテッソーリ教具」です。

木の板に砂紙でできた文字が貼られており、目で見るだけでなく、指先の感覚も使いながら文字を覚えていきます。

モンテッソーリ教育では、文字を書く前の大切な準備として使われています。

砂文字板の目的

① 文字の形と音を結びつけるため

砂文字板から音が出るわけではありません。

最初は大人が指で文字をなぞりながら、

「あっ」
「まっ」
「さっ」

というように、「文字の名前」ではなく「音」を伝えます。

子どもも一緒に指でなぞりながら、同じ音を口に出してみます。

すると、

  • 目で文字を見る
  • 指で文字の形を感じる
  • 耳で音を聞く
  • 自分で声に出す

という複数の感覚が働き、「この形はこの音なんだ」ということが自然と結びついていきます。

② 書くための準備をするため

指でなぞる経験を重ねることで、文字の形が少しずつ体に記憶されていきます。

鉛筆で文字を書く前の、大切な準備になります。

文字を指でなぞる女の子のイラスト。見る、触る、聞くを通して文字を覚えていく様子。」

砂文字板で育つ力

砂文字で育つ力

🌷文字と音を結びつける力
文字を見て音を思い浮かべたり、聞いた音から文字をイメージしたりする力が育ちます。これは、後の「読む力」の土台になります。

🌷指先の感覚
ざらざらした文字を指でなぞることで、視覚だけでなく触覚も使いながら文字の形を覚えていきます。複数の感覚を使うことで、より自然に文字が身についていきます。

🌷集中力
一文字ずつゆっくりなぞる活動は、自然と集中する時間を生み出します。短い時間でも、じっくり取り組む経験につながります。

🌷書くための準備
指先を思い通りに動かす経験を積み重ねることで、鉛筆で文字を書くための土台が育っていきます。

砂文字板の取り組み方

砂文字板の取り組み方

Step.1:大人がお手本を見せる

まずは大人がゆっくりと指でなぞりながら、音で伝えます。

「これは『あ』です」ではなく、「あっ」と音で示すことがポイントです。

Step.2:子どもが指でなぞる

子ども自身が指でなぞりながら、同じ音を口に出してみます。

見る、触る、聞く、話すという複数の感覚を使うことで、文字と音が結びついていきます。

大人が大切にしたいポイント

🌱一度にたくさん教えない
最初は2〜3文字程度で十分です。子どもの興味に合わせながら、少しずつ増やしていきましょう。

🌱無理に覚えさせない
大切なのは、覚えることよりも文字に親しむこと。繰り返し触れる中で、少しずつ身についていきます。

🌱慣れてきたら一人で楽しんでも大丈夫
最初は大人と一緒に取り組みますが、慣れてくると子どもが一人で砂文字板を出して遊ぶこともあります。毎回大人が横についていなくても大丈夫です。

絵本や文字を親子で楽しむ様子。モンテッソーリ教育では『やってみたい』気持ちを大切にする

おうちでよくある悩みとよくある質問

Q1.正しい書き順でなぞらない

A.無理に直さなくても大丈夫!

娘は「し」や「つ」などは丁寧になぞるのですが、「あ」はシャシャシャッと擦るように触っていることがあります(笑)。「く」が逆向きになっていることもあります。

「もっとゆっくり!」と指摘したくなりますが、まずは大人が一度だけゆっくり提示してみる。その通りにやるかどうかは、子ども次第。

モンテッソーリ教育では、「正しくやらせること」よりも、「興味を失わないこと」「文字に親しむこと」を大切にしています。

最初から完璧を求めなくても大丈夫です。

Q2.五十音順に進めなくても大丈夫?

A.「あいうえお」の順番通りに覚える必要はありません。

好きな形の文字や、自分の名前に入っている文字、「まま」の「ま」など、興味のある文字から始めて大丈夫です。

Q3.一つの文字ばかりやる

A.問題ありません。

「の」だけ、「し」だけなど、一文字に夢中になる時期もあります。

好きな文字を繰り返すことにも意味があります。

興味が広がるのを待ちながら、少しずつ別の文字を紹介していきましょう。

Q4.全部を並べるスペースがない

A.「あ」から「わ」まで全てを並べる必要はありません。

今週は「あ〜お」、来週は「か〜こ」というように、数枚ずつ出しても十分です。

Q5.声に出さないと意味がない?

A.できれば出した方がいいですが、「毎回」「必ず」でありません。

声に出しながら取り組むことで、

  • 見る
  • 触る
  • 聞く
  • 話す

という複数の感覚を使えるため、文字と音が結びつきやすくなります。

ただし、毎回必ず声に出さなければならないわけではありません。

指先の感覚を楽しんだり、静かに集中したりする時間も大切にしましょう。

Q6.絵本タイプの砂文字板でもいい?

A.できれば本物の教具がいいですが、子どもが興味を持つきっかけとしてOKです。

最近は、文字に色がついていたり、一冊の絵本になっている砂文字板もあります。

絵本タイプの砂文字板は、正規の砂文字板のように一文字に集中しやすいわけではありませんが、気軽に触れられる良さもあります。

子どもの「触ってみたい」「やってみたい」という気持ちも大切にしましょう。

Q7.手作りでもできる?

A.家庭に合わせた工夫で大丈夫です。

市販の教具だけでなく、厚紙や紙やすりを使った手作りでも楽しめます。

大切なのは、子どもが文字に親しめる環境を作ることです。

Q.カタカナはいつから?

A.子どもが自然と興味を持ったタイミングで取り組みましょう。

まずは「ひらがな」への興味を大切にしましょう。

生活の中で好きなキャラクターや看板などをきっかけに、自然とカタカナに興味を持つこともあります。

焦らず、子どもの「知りたい」を大切にしていけば十分です。

指で感じた文字は、やがて言葉になる

砂文字板をなぞる女の子と、未来のお手紙を書く姿を描いたイラスト

音節あそびで耳を育て、メタルインセッツで手を育て、砂文字板で文字と音を結びつける。

そしてその先には、

  • ひらがなスタンプ
  • ひらがなビンゴ
  • 移動五十音
  • 小さな黒板

へと続いていきます。

モンテッソーリ教育では、いきなり「書きなさい」と教えるのではなく、見えない土台を一つずつ積み重ねていきます。

指でなぞった小さな経験が、やがて「ママへ♡」のお手紙につながっていくのだと思います。

まとめ

砂文字板は、文字を覚えるための教具ではなく、文字と音を結びつけ、「書きたい」という気持ちを育てる教具です。

焦らなくても大丈夫。

小さな積み重ねが、やがて文字になり、言葉になり、誰かに想いを伝える力になっていくのだと思います。

書き言葉の準備④

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✏️『砂文字』

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📚『だるまさんシリーズ』

📚『はらぺこあおむし』

📚『しろくまちゃんのほっとけーき』

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