「これ、なんて読むの?」

そんなふうに文字に興味を持ち始めた子どもたち。

砂文字板で指を使って文字の形を感じた後は、いよいよ「書く」活動へと進んでいきます。

モンテッソーリ教育では、この時期に「小さな黒板」というお仕事を行います。

チョークを使って文字を書くことで、筆圧や運筆の力を育てながら、少しずつ「自分で書ける」喜びにつなげていきます。

今回は、おうちでも簡単に取り組める「小さな黒板」のお仕事をご紹介します。

「小さな黒板」とは?

「小さな黒板」とは、チョークを使って文字を書く活動です。

モンテッソーリ教育では、砂文字板で指先を使って文字の形を感じた後、今度は実際に手を動かしながら文字を書いていきます。

最初から紙と鉛筆を使うのではなく、消して何度でも書き直せる黒板とチョークを使うことで、失敗を恐れずに繰り返し練習することができます。

また、小さな黒板は単に「文字を書く練習」ではありません。

砂文字板から小さな黒板、ひらがなを書くまでの流れを表した図

文字を書きながら、

  • 筆圧を調整する力
  • 運筆の力
  • お手本を見る力
  • 比較する力
  • 間違いに気づいて修正する力

など、さまざまな力を育てていくお仕事です。

小さな黒板の特徴

小さな黒板の特徴を表したイラスト

チョークは筆圧の弱い子どもでも扱いやすい

チョークは鉛筆よりも柔らかく、少ない力でもしっかりと線が見えます。

まだ筆圧が安定していない子どもでも、「書けた!」という達成感を味わいやすいのが特徴です。

何度でも書き直せる

黒板は簡単に消すことができます。

間違えてもすぐにやり直せるため、失敗を恐れずに繰り返し挑戦することができます。

「できた」「もう一回やってみよう」

そんな前向きな気持ちを育ててくれます。

見る力や比較する力を育てる

モンテッソーリ教育では、お手本を見て写す「模写」を大切にしています。

お手本と自分の文字を見比べながら、

「ここが少し違うかな?」

と、自分で気づき修正していく経験を重ねることで、自己教育力も育っていきます。

小さな黒板で育つ力

小さな黒板で育つ力を表したイラスト

🌷筆記能力
チョークを使って繰り返し書くことで、指先の動きや筆圧が育ち、文字を書くための土台が整っていきます。

🌷集中力
一文字一文字に意識を向けながら書くことで、自然と集中する時間が増えていきます。

🌷自己教育力
「自分で気づき、自分で直す」
モンテッソーリ教育が大切にしている自己教育力も、小さな黒板のお仕事の中で育まれていきます。

🌷文字の記憶と定着
見る、触れる、書くという複数の感覚を使うことで、文字の形が少しずつ記憶に定着していきます。

対象年齢

3歳頃からがおすすめです。

特に、

  • 「これなんて読むの?」とよく聞く
  • 自分の名前の文字に興味を持つ
  • お手紙を書きたがる
  • 大人の真似をして文字を書こうとする

など、「言語の敏感期」が訪れている時期にぴったりのお仕事です。

まだ難しそうな場合は、無理に文字を書かせる必要はありません。

まずは、

  • メタルインセッツ
  • シール貼り
  • ビーズ通し
  • 砂文字板

などを通して、指先や運筆の準備を整えていきましょう。

小さな黒板をやってみよう

準備するもの

小さな黒板で準備するもの
  • 小さな黒板(またはバインダー)
  • チョーク
  • ひらがなカード
  • トレーシングペーパー

ひらがなカードは、公文のカードや「ちびむすドリル」などを活用してもよいでしょう。

🌱Step.1:文字をなぞってみる

最初は、トレーシングペーパーを使って文字をなぞってみましょう。

「つ」
「し」
「く」

など、一筆で書きやすい文字から始めるのがおすすめです。

まだうまく書けなくても大丈夫。

まずは「書くって楽しい!」という気持ちを大切にしましょう。

🌿Step.2:お手本を見ながら写してみる

小さな黒板のやり方を段階ごとに紹介した図

少し慣れてきたら、お手本の文字を見ながら黒板に書いてみます。

モンテッソーリ教育では、「見る」→「覚える」→「再現する」という過程を大切にしています。

自分の文字とお手本を見比べながら、少しずつ形を整えていきます。

🌳Step.3:見本なしで書いてみる

見本なしで文字を書いた女の子のイラスト

さらに慣れてくると、「ママ見て!書けた!」と、自分から文字を書き始める姿が見られるようになります。

これは「書き言葉の爆発」と呼ばれる時期へ向かう大切な一歩です。

文字を書くことが楽しくなり、自分の名前や好きな言葉を書きたがるようになる子もいます。

うまく書けなくても大丈夫

文字を書く時期には個人差があります。

大切なのは、きれいに書けることよりも、「自分でやってみたい」という気持ちです。

急がせたり、間違いを指摘しすぎたりすると、せっかく芽生えた意欲がしぼんでしまうこともあります。

「書いてみたい」

そんな気持ちが見られたら、温かく見守りながら、たくさん挑戦できる環境を用意してあげましょう。

まとめ

小さな黒板は、文字を書く練習をするだけのお仕事ではありません。

  • 筆圧を育てる
  • 運筆の力を育てる
  • 観察する力を育てる
  • 比較する力を育てる
  • 自己教育力を育てる

そんな「書く力の土台」を育てる大切な活動です。

砂文字板で文字を感じ、小さな黒板で文字を書き、やがて自分の思いを自由に表現できるようになっていきます。

子どもの「書いてみたい!」という気持ちを大切にしながら、焦らずゆっくり見守っていきたいですね。

書き言葉の準備シリーズ⑥

書き言葉の準備シリーズ🌿
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