モンテッソーリ教育を受けた私が、小さい頃に何度も読んだ10冊の絵本
「子どもの頃、一番好きだった絵本は?」
そう聞かれたら、皆さんはどんな一冊を思い浮かべますか?
絵本の内容は忘れてしまっていても、読んでもらった時間や、そのとき感じた気持ちは、不思議と心のどこかに残っているものです。
私も小さい頃、母に何度も読んでもらった絵本があります。
有名なベストセラーばかりではありません。
今ではあまり見かけなくなった絵本もあります。
それでも、この10冊だけは、30年近く経った今でも忘れられません。
そして今は、自分の娘にも読んであげたいと思う、大切な絵本たちです。
今回は、モンテッソーリ教育を受けた私が、小さい頃に何度も読んでもらった絵本をご紹介します。
おすすめランキングではありません。
私の心を育ててくれた、大切な10冊です。

💡【【モンテッソーリ教育】おすすめの絵本|空想より現実を大切にする理由】
① 『おべんとうなあに?』
🌱あの頃の私
この絵本を読むたびに思っていたことがあります。
「ぞうくんのともだちべんとう、おいしそう!」
子どもらしい感想ですよね(笑)。
ページをめくるたびに出てくるお弁当が本当においしそうで、「食べてみたいなぁ」とワクワクしながら読んでいました。
子どもにとって「食べること」は毎日の大きな楽しみ。
そんな気持ちが、そのまま詰まった一冊でした。
🌸今の私
ぞうくんのお弁当がなくなった場面を、思い切り演技しながら読むのが私の楽しみです(笑)。
「ぶわーーーーん!!」
と大げさに泣くと、娘は一生懸命、
「ここにあるよ!」
と教えてくれます。
母に読んでもらっていた絵本を、今度は娘と笑いながら読んでいる。
そんな時間が、とても幸せです。

② 『これはのみのぴこ』
🌱あの頃の私
最初は短かった文章が、ページをめくるたびにどんどん長くなっていく。
その面白さが大好きでした。
でも実は、私は全然暗記していませんでした(笑)。
代わりに、姉たちが競争するように全部覚えていて、
「なんでそんなに覚えられるの!?」
と、子どもながらに感心していたことをよく覚えています。
🌸今の私
大人になって改めて読むと、日本語ってこんなに面白いんだと感じます。
言葉のリズム。
繰り返し。
積み重なっていく面白さ。
モンテッソーリ教育でも「耳から言葉を吸収する時期」を大切にしていますが、この絵本はまさに言葉遊びの楽しさを全身で味わえる一冊。
「読む」というより、「一緒に声に出して楽しむ」絵本なのかもしれません。

③ 『ぐるんぱのようちえん』
🌱あの頃の私
私は最後の場面が大好きでした。
大きなビスケット。
大きな靴。
幼稚園のみんなが楽しそうに遊んでいる様子。
「私もこんな幼稚園に行きたい!」
そんなことを思っていました。
🌸今の私
今読むと、この絵本は不思議な魅力があります。
「しょんぼり、しょんぼり。」
「もうけっこう。」
そんな言葉がたくさん出てくるのに、なぜか暗くありません。
ぐるんぱは、良くも悪くも少し能天気でマイペース(笑)。
失敗してもどこか前向きで、その姿に元気をもらえます。
子どもの頃は遊びの楽しさに惹かれていましたが、大人になった今は、「遠回りした経験も、きっと意味がある」というメッセージに励まされています。

④ 『はじめてのおつかい』
🌱あの頃の私
みいちゃんが一人で頑張る姿が、とにかくかっこよく見えました。
転んでも立ち上がる。
重たい牛乳を持って歩く。
その姿を見ながら、「私もやってみたい。」
そう思っていました。
🌸今の私
親になった今読むと、見える景色は全く違います。
送り出すお母さんの気持ち。
見守ることの難しさ。
そして、子どもが自分の力で一歩踏み出す姿。
モンテッソーリ教育では、「子どもが自分でできることを信じて待つ」ことを大切にします。
この絵本は、その姿を優しく教えてくれるように感じます。
挑戦する子どもも素敵ですが、その挑戦を信じて見守る大人も、とても素敵です。

🔗【主体性とは?】
⑤ 『ちいさなねこ』
🌱あの頃の私
赤ちゃんねこが一人で出掛けてしまう場面では、
「大丈夫かな。」
「お母さん、早く来て!」
と、本当に心配していました。
そして、お母さんねこが犬を追い払う姿を見て、
「お母さんってすごい!」
「お母さんは赤ちゃんを守るために頑張るんだ。」
そんなことを感じていました。
子どもながらに、お母さんは強くて安心できる存在だったのだと思います。
🌸今の私
今、この絵本を読むときは、お母さんねこになりきっています。
赤ちゃんねこを助ける場面では、
「大丈夫!お母さんが来たよ!」という気持ちで、
「ふうううう!!!ちいっ!!!!」と
少し大げさなくらい力強く読んでいます。
娘には、
「お母さんは絶対にあなたの味方だよ。」
「何があっても守るからね。」
そんな安心感が伝わったらいいなと思っています。
子どもにとって、お母さんは世界で一番安心できる存在。
私も、小さい頃に感じていたその安心感を、今度は娘へ届けていきたいです。

⑥ 『はりねずみのピックル』
🌱あの頃の私
この絵本は、子どもの頃からずっと心に残っています。
ピックルは、身体に棘があることで周りの子からいじめられています。
そんな中で出会ったのが、同じようにひとりぼっちだった青虫のフローラ。
二人は大切な友達になります。
でも、ある日フローラは美しい蝶になります。
本当なら嬉しいはずなのに、ピックルは素直に喜べません。
寂しい。
羨ましい。
自分だけ取り残されたような気持ち。
そんな複雑な感情が、子どもの私にも伝わってきました。
そして物語の最後。
川に落ちたピックルを、おばあちゃんがぎゅっと抱きしめます。
はりねずみには棘があります。
それでも、おばあちゃんは痛いことなんて気にしません。
私は、その場面にとても感動しました。
「私もこんなふうに、誰かを丸ごと受け入れられる人になりたい。」
そんなことを思っていた気がします。
🌸今の私
大人になると、この絵本は友情だけではなく、人の心の揺れを描いた物語なんだと気付きます。
誰かを羨ましく思うこと。
自分が嫌になること。
傷つけるのも怖いし、傷つくのも怖いこと。
そんな誰もが経験する感情が、とても丁寧に描かれています。
だからこそ、最後のおばあちゃんの優しさが胸に染みます。
今でも、私にとって理想の「優しさ」が描かれた一冊です。

⑦ 『さっちゃんのまほうのて』
🌱あの頃の私
私は左腕に少し大きなほくろがあります。
子どもの頃は、それが少し気になっていました。
みんなと違うことが、なんとなく恥ずかしかったのです。
そんなときに出会ったのが『さっちゃんのまほうのて』でした。
私は、さっちゃんと自分を重ねて、自分のほくろも「特別なしるし」のように思えるようになりました。
子どもらしい発想かもしれません。
でも、そのおかげで、自分のほくろを少し好きになれた気がします。
🌸今の私
親になってから読むと、この絵本は全く違う物語になりました。
子どもを思う親の気持ち。
周りの言葉に傷つきながらも、我が子が自分らしく生きられるよう願う気持ち。
傷つくことがあっても、「あなたはそのままで大丈夫」と伝え続ける姿。
その一つひとつが胸に迫ってきます。
子どもの頃は「さっちゃん」の気持ちになって読み、
今は「お母さん」の気持ちになって読んでいます。
毎回、声が出なくなるくらい泣いてしまう一冊です。

⑧ 『ちいさなチャンタラ』
🌱あの頃の私
小さい頃は、この絵本の内容を全部理解していたわけではありません。
母から、
「これは戦争でお母さんを亡くした子どものお話なんだよ。」
と教えてもらいました。
そのとき私が思ったのは、
「戦争って悲しい。」
「もし、お母さんやお父さんが死んじゃったらどうしよう。」
ということでした。
最後にチャンタラがお兄さんの上で眠る場面だけは、ほっとした気持ちになったことを覚えています。
🌸今の私
大人になると、この絵本の切なさが痛いほど伝わってきます。
幼い子どもが、大好きなお母さんを失うこと。
代わりに安心できる誰かを求めること。
甘えたいのに甘えられない葛藤。
それでも、人のぬくもりを求めずにはいられない気持ち。
戦争は、人の命だけではなく、子どもの心まで傷つけてしまうのだと感じます。
読後にはいつも、平和であることのありがたさを考えさせられます。

⑨ 『かわいそうなぞう』
🌱あの頃の私
この絵本で一番覚えているのは、母が読みながら泣いていたことです。
私は「かわいそうだな」と思いながら聞いていましたが、戦争の意味や背景までは理解できていませんでした。
だから、「どうしてお母さんは泣いているんだろう。」と不思議にも思っていました。
🌸今の私
今なら、その涙の意味が分かります。
戦争という理不尽さ。
人間の残酷さ。
そして、命の重さ。
何も悪くない動物たちが犠牲にならなければならなかったこと。
飼育員さんたちの苦しさ。
どれを考えても、胸が締めつけられます。
母が泣いていた理由を理解できた今、この絵本を最後まで読むことができないくらい涙があふれてしまいます。
子どもの頃と大人になった今では、こんなにも見える景色が違うのだと感じる一冊です。

⑩ 『せいめいのれきし』
🌱あの頃の私
実は、この絵本だけは不思議なくらい「何を感じていたか」を覚えていません(笑)。
読んでいたことは、はっきり覚えています。何度もページをめくっていたことも覚えています。
背表紙の「太陽の顔」も覚えています。
でも、「どこが好きだったの?」と聞かれると、答えられないのです。
それくらい幼い私には難しい内容だったのだと思います。
それでも、不思議と何度も手に取っていました。
子どもには、「まだ全部は分からないけれど、なぜか惹かれるもの」があるのかもしれません。
🌸今の私
正直に言うと、大人になった今でも、この絵本は簡単ではありません。
ページ数も多く、内容も決して易しいものではありません。
それでも、読み終えたあとには、毎回大きなものに包まれたような気持ちになります。
生命が誕生してから、何億年という時間をかけて命はつながってきました。
その長い歴史の先に、今の私がいます。
両親から命をいただき、夫と出会い、娘という新しい命を授かりました。
私たち家族もまた、「せいめいのれきし」のほんの一部なのだと思います。
この絵本の最後には、こんな一文があります。
「さあ、このあとは、あなたのおはなしです。主人公は、あなたです。」
ー『せいめいのれきし』バージニア・リー・バートン作

子どもの頃、この言葉だけは不思議と心に残っていました。
内容はほとんど覚えていないのに、この最後のページだけは、なぜか忘れなかったのです。
今になって、その意味が少し分かる気がします。
私の命も。
娘の命も。
そして、生きとし生けるすべての命も。
長い長い時間をかけて受け継がれてきた、大切な命。
だからこそ、この一日も、この出会いも、この時間も、大切にしたい。
『せいめいのれきし』は、生命の歴史を教えてくれるだけではなく、自分自身の人生について静かに問いかけてくれる、私にとって一生の宝物です。

子どもの頃に好きだった一冊は、大人になった私にもつながっている
今回ご紹介した10冊は、どれも私が子どもの頃に何度も読んでもらった絵本です。
当時は、おいしそうなお弁当に心を躍らせたり、お母さんってすごいなと思ったり、「頑張るってかっこいい」と憧れたり。
そんな素直な気持ちでページをめくっていました。
でも、大人になって読み返すと、その絵本には命や優しさ、挑戦、平和、人とのつながりなど、たくさんのメッセージが込められていたことに気付きます。
子どもは、大人が思っている以上に、絵本からたくさんのものを受け取っています。
もちろん、そのときに全部理解する必要はありません。
「なんとなく好き。」
「また読んで。」
その気持ちだけで十分なのだと思います。
そして何年も経ってから、ふと読み返したときに、新しい意味に出会えることもあります。
母に読んでもらった絵本を、今は娘に読んでいる。
ページをめくる手は変わっても、絵本がつないでくれる温かい時間は変わりません。
この10冊は、これからも娘へ、そしていつかその先へと受け継いでいきたい、私にとって大切な宝物です。🌷

紹介した絵本一覧🌸
📚『おべんとうなあに?』
📚『これはのみのぴこ』
📚『ぐるんぱのようちえん』
📚『はじめてのおつかい』
📚『ちいさなねこ』
📚『はりねずみのピックル』
📚『さっちゃんのまほうのて』
📚『ちいさなチャンタラ』
📚『かわいそうなぞう』
📚『せいめいのれきし』
