季節を感じるってなんだろう?〜子どもと楽しむ四季のある暮らし〜
春の匂いに気づいたり、旬の果物を食べて「おいしいね」と笑い合ったり。
何気ない季節の移ろいに、心が動くことがあります。
忙しい毎日の中では見過ごしてしまいそうな小さな変化。
便利になった今は、季節を感じることは、少し意識しないと難しい時代になってきているように感じています。
今回は、季節を感じることの大切さについて、モンテッソーリ教育の文化教育とも重ねながら考えてみたいと思います。
私は季節を感じることが好きだった
私の両親は、家によく花を飾っていました。
菖蒲湯や柚子湯を楽しみ、お正月や季節の行事も自然に暮らしの中にありました。
祖父母の家に行けば、庭で採れた梅で作った梅ジュースを飲ませてもらい、冬には甘酒を作ってくれました。
今はスーパーに行けば、一年中ほとんどの野菜や果物が並んでいます。
便利になった一方で、「旬」を意識しなければ季節を感じにくい時代になりました。
だからこそ、「今はいちごの季節だね」「とうもろこしがおいしい時期だね」
そんな小さな会話の大切さを感じています。
五感で季節を感じる

季節は、目で見るだけではありません。
- 桜を見る
- 春の匂いを感じる
- 風鈴の音を聞く
- 旬の果物を味わう
- 落ち葉に触れる
子どもは五感を通して世界を知っていきます。
モンテッソーリ教育でも、感覚を通した経験はとても大切にされています。
「春だね」「秋の風だね」
そんな言葉と一緒に体験することで、季節は子どもの中に少しずつ積み重なっていくのだと思います。
四季のある日本だからこそ育まれてきた感性
日本には四季があります。
春の桜。夏の入道雲。秋の紅葉。冬の雪景色。
日本人は昔から、月や花、風や虫の声に美しさを感じてきました。
海外では虫の音を雑音として聞く人も多く、日本人が虫の音を「声」として感じることに驚かれることもあるそうです。
それだけ、日本人は自然とともに暮らし、繊細な感性を育んできたのかもしれません。

童謡にも季節が流れている
そして、その感性は童謡の中にもたくさん残っています。
「ちょうちょう」や「春が来た」には春のやわらかさ。
「赤とんぼ」には秋の少し寂しい雰囲気。
「たきび」や「雪」には冬の静けさ。
歌詞だけではなく、メロディそのものから季節を感じられることに、私はすごいなぁと思います。
春や夏の歌は軽やかで明るく、秋や冬の歌はどこか落ち着いていて、少し切なさもある。
音楽を通して季節を感じられることも、日本ならではの豊かな感性なのかもしれません。
少しずつ変わっていく季節
最近は、春や秋が短くなったと言われます。5月なのに真夏のような暑さになったり、紅葉の時期も遅くなったり。
昔の人たちは、夜空を見上げて暮らしていました。
月の満ち欠けを見て季節を知り、星の動きを観察し、そこに名前をつけて星座を作りました。
でも今は、空を見上げても星が見えないこともあります。

ホタルが飛ぶ川。スズムシの鳴き声。カエルの声。
そんな風景も、少しずつ少なくなっているのかもしれません。
便利になり、豊かになった一方で、私たちは気づかないうちに、少しずつ、じわじわと失ってきたものもあるように感じます。
私自身も、失われた中で育ってきた
私は満天の星空やホタルを見たことがありません。スズムシやカエルの声に囲まれて育ったわけでもありません。
だから、昔ながらの自然をそのまま子どもに伝えることはできないかもしれません。
私自身が、すでに失われたものの中で育ってきたからです。
そして、失った状態から始まった子どもは、何もしなければ、その次の世代へ伝えていくことが難しくなっていくのかもしれません。
だからこそ、言葉で紡いでいきたい
すべてを体験させてあげることはできなくても、
- 春の匂いを感じること。
- 月を見上げること。
- 花を飾ること。
- 季節の食べ物を味わうこと。
- 「昔はね、こんな暮らしをしていたんだって」と話すこと。
- 絵本を読むこと。
そんな小さなことなら、今の私にもできます。

星空を知らなくても、ホタルを見たことがなくても、
言葉や絵本や日々の暮らしを通して、
自然や季節を大切にする「心」を紡いでいくことはできるのかもしれません。
季節の先には行事や文化がある

季節を感じることの先には、行事や文化があります。
- 七夕。
- お月見。
- お正月。
- ひな祭り。
昔から受け継がれてきた行事には、自然への感謝や、人々の願いが込められています。
まずは、「きれいだね」「楽しかったね」そんな経験を重ねること。
意味はあとから少しずつ知っていけばいい。
季節を楽しむことが、文化を受け継ぐことにつながっていくのだと思います。
おわりに
私は、星がたくさん見える時代を知りません。ホタルが飛ぶ風景も知りません。
でも、だからこそ思います。
失われたものを嘆くより、今ある季節に目を向けたい。
- 春の匂い。
- 旬の果物。
- 月を見上げる時間。
- 季節の歌。
- 花を飾ること。
- 子どもと一緒に「きれいだね」「おいしいね」と笑い合う時間。
そんな小さな積み重ねが、次の世代へつながっていくのだと思います。
四季のある日本だからこそ育まれてきた感性を、完璧ではなくても、できる範囲で子どもたちへ手渡していけたら。
そんなふうに思っています。🌷
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