思考力とは?|モンテッソーリ教育が育てる「考え続ける力」
「思考力を育てましょう。」
最近、教育の世界でよく耳にする言葉です。
AI時代だから。受験でも必要だから。
そんな理由で話題になることも増えました。
でも、「思考力」とは、一体どんな力なのでしょうか。
私は長い間、「思考力がある人」と聞くと、
- 勉強ができる人。
- 論理的に話せる人。
- 頭の回転が速い人。
そんな人を思い浮かべていました。
でも、モンテッソーリ教育を学び直し、娘と一緒にもう一度その世界に触れる中で、少し考え方が変わりました。
思考力とは、もっと広く、もっと人間らしい力なのではないか。
そんなふうに感じるようになったのです。
思考力とは「正解を知っていること」ではない
学校では、問題には答えがあります。
算数には正解があります。漢字にも正解があります。
もちろん、それらを学ぶことはとても大切です。
基礎学力は、子どもの未来を支える土台になります。
でも、大人になるとどうでしょう。
- 子育て。
- 仕事。
- 人間関係。
- SNSとの付き合い方。
- AIとの付き合い方。
そこには、一つの正解はありません。
誰かが答えを教えてくれるわけでもありません。
だから私は、社会で本当に必要なのは、
「正解を知っていること」ではなく、「正解のない問いを考え続ける力」なのではないかと思っています。
思考力は、一つの力ではない
「思考力」と聞くと、「論理的思考」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも、思考力とはそれだけではありません。
例えば、
- 論理的に順序立てて考える力(論理的思考)
- 一つの情報をうのみにせず、多面的に考える力(批判的思考)
- 新しい発想を生み出す力(創造的思考)
- 違う立場から考える力(多角的思考)
- 違いを見つけ、比べる力
- 共通点を見つけて概念へつなげる力(抽象化する力)
- 「なんで?」と問いを持つ力
どれも思考力を支える大切な力です。
そして、これらはそれぞれが独立しているわけではなく、お互いにつながり合いながら育っていきます。

問いを持つから考え始める。
比べるから違いに気づく。
違いに気づくから共通点や法則が見えてくる。
抽象化できるようになると、新しい発想や多角的な見方にもつながっていきます。
つまり、思考力とは一つの能力ではなく、さまざまな力が重なり合いながら育っていくものなのです。
モンテッソーリ教育も、こうした力を一つひとつ切り離して育てるのではなく、教具や日々の活動を通して自然につながるように育んでいます。
その中でも、思考の入り口になりやすいのが「比べること」だと私は感じています。
モンテッソーリ教育は「考える環境」をつくる
モンテッソーリ教育では、子どもに答えを教えることよりも、「自分で気づくこと」を大切にしています。
そのために使われるのが、モンテッソーリ教具です。
例えば、
- ピンクタワー。
- 茶色の階段。
- 色板。
- 数棒。
どの教具にも共通しているのは、一つの性質だけが変化するように作られていることです。
大きい・小さい。
長い・短い。
太い・細い。
赤・青。
子どもは教具を触りながら、自然と違いに気づきます。
違いに気づくと、比べます。比べると、「同じところ」と「違うところ」が見えてきます。
そして、その繰り返しの中で少しずつ法則や概念を理解していきます。
モンテッソーリ教育でよく使われる「具体から抽象へ」という考え方も、この積み重ねの中で生まれます。
具体的な教具を触り、見て、比べ、共通点を見つけ、少しずつ頭の中で考えられるようになっていく。
教具は何かを覚えさせるための道具ではありません。
子どもが自分で考え始める環境なのです。

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子どもは、自分から考えようとしている
子どもは、ある時期になると毎日のように聞きます。
「なんで?」
「どうして?」
「なんで空は青いの?」
「なんで葉っぱは落ちるの?」
誰かに教えられたわけではありません。
それでも子どもは、自分から問いを持ち始めます。
私は、この姿こそが、モンテッソーリ教育でいう自己教育力なのではないかと思っています。

- もっと知りたい。
- もっと分かりたい。
- 自分で確かめたい。
そんな内側から湧いてくる力があるからこそ、子どもは問いを持ちます。
そして、
見て、触れて、比べて、試して、また考える。
その繰り返しの中で、思考力は少しずつ育っていきます。
だから思考力は、大人が教え込むものではありません。
子ども自身が育てていくものなのです。
思考するためには「体験」が必要
では、その思考力は、どのように育っていくのでしょうか。
私は、その鍵になるのが「体験」だと思っています。
テレビや動画は、とても便利です。短い時間でたくさんのことを知ることができます。
でも、その多くは、一方向から与えられる情報です。
一方で、体験には「余白」があります。

動物園へ行く。水族館へ行く。散歩をする。
図鑑を開く。親子で会話をする。
実際に見て、触れて、感じて、「なんで?」と思う。
その問いから、また調べてみる。比べてみる。
もう一度体験してみる。
私は、この繰り返しこそが思考力を育てるのではないかと思っています。
体験とは、知識を増やすためだけのものではありません。
子どもの「なんで?」を生み出すものなのです。
AI時代だからこそ、人間にしかできないこと
AIは、たくさんの知識を持っています。
質問をすれば、すぐに答えを返してくれます。
これからの時代、その便利さはますます大きくなるでしょう。
だからこそ、人間に求められる力も変わっていきます。
大切なのは、知識をたくさん持つことだけではありません。
問いを持つこと。
自分で考えること。
比べること。
そして、自分なりの答えを見つけていくことです。
私は以前、「情報を選ぶ力」についての記事を書きました。
👉【子どもに本当に育てたいのは「情報を選ぶ力」|スマホ・SNS時代に親ができること】
情報があふれる時代だからこそ、思考力はますます大切になっていくと感じています。

思考力は、人生を豊かにする力
思考力とは、誰かより頭が良くなるための力ではありません。
テストで良い点を取るためだけの力でもありません。
- 問いを持つこと。
- 比べること。
- 試してみること。
- 考え続けること。
- 自分なりの答えを見つけていくこと。
モンテッソーリ教育は、答えを教える教育ではありません。
子どもが「なんで?」と問いを持ち、自分で考え、自分なりの答えを見つけていく環境を整える教育です。
私は、それこそが「思考力」なのだと思っています。
そして、AIがどれだけ進化しても、この力だけは人にしか育てることのできない、一生の財産になるのではないでしょうか。

おすすめの三冊🌸
📖『子どもの発見』
📖『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』
📖『自分で考える子になる育て方』
おすすめの絵本🌷
『じぶんだけのいろ』
『どうしてお月さまはついてくるの?』
『しぜんとかがくのはっけん!366』
