読み聞かせって本当に意味あるの?|冊数より大切にしたいこと
- 「3歳までに1万冊。」
- 「毎日たくさん読み聞かせをしましょう。」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
私も娘が0歳の頃は、「たくさん読んであげよう!」と思っていました。
今日は10冊。
今日は15冊。
たくさん読めた日は少し嬉しくなって、読めなかった日は「もっと読んであげたかったな…。」と少しだけ自己嫌悪になることもありました。
でも、仕事に復帰すると毎日は思うようにいきません。
疲れている日もあります。
娘もイヤイヤ期や自我がどんどん出てきて、「今日は絵本じゃない!」という日もあります。
そんな毎日を過ごす中で、私は読み聞かせに対する考え方が少しずつ変わっていきました。

モンテッソーリ幼稚園で驚いた、絵本の読み方
娘の通うモンテッソーリ幼稚園では、授業参観へ行くと、先生が毎回1〜2冊の絵本を読んでくださいます。
私は、その読み方に毎回驚きます。
とにかく、ゆっくりなんです。
一文読んでは少し間を置く。
ページをめくる前にも、少し待つ。
決して急がず、一冊をとても丁寧に読んでくださいます。
そして、もっと驚いたのは子どもたちでした。

先生の声を聞きながら、絵本をじーっと見つめています。
誰一人、「まだ?」という様子はありません。
教室全体が、とても穏やかな空気に包まれていました。
私は思わず、「すごいなぁ。」と感心しました。
家では私はどちらかというと、どんどんページをめくってしまいます(笑)。
授業参観の翌日くらいまでは、「ゆっくり、ゆっくり。」と意識して読めるのですが、気付くとまた元のスピードに戻っています(笑)。
それくらい、ゆっくり読むということは難しいんだな、と毎回思います。
絵本の選び方にも、モンテッソーリらしさを感じた
先生が読んでくださる絵本は、物語ばかりではありません。
ある日は、お寿司の絵本。
またある日は、建設のお話。
季節を感じる絵本や、生き物のお話など、本当にさまざまです。
でも、どの絵本にも共通していたことがあります。
それは、「現実の世界」を丁寧に伝えていることでした。

例えば、お寿司の絵本。
「お寿司、おいしそう!」だけでは終わりません。
海で魚が泳ぎ、
漁師さんが魚を獲り、
市場を通り、
たくさんの人の手を経て、
最後に私たちの食卓へ届く。
そんな背景まで描かれていました。
私は、「こういう絵本を選ぶことも、モンテッソーリ教育らしいな。」と感じました。
読み聞かせは、子どもが世界を味わう時間
先生の読み聞かせを見ていて、私はあることに気付きました。
子どもは、ただ文章を聞いているだけではないのだと思います。
先生の声を聞きながら、絵をじっと見つめ、
- 「おいしそう。」
- 「きれい。」
- 「どうなるんだろう。」
そんなふうに、その世界を味わっているように見えました。
私は以前、「3歳までに〇冊」という言葉を意識するあまり、読む冊数ばかりに目が向いていた時期がありました。
もちろん、小さい頃から絵本に親しむことは、とても大切だと思います。
私自身も娘にはたくさん読み聞かせをしてきました。
でも、冊数ばかりを追いかけてしまうと、どうしても「読むこと」が目的になりがちです。
ページをめくる速さ。
次の一冊。
そんなことばかり考えていたのかもしれません。
でも、本当に大切なのは、その一冊をどれだけ味わえたか。
子どもの心がどれだけ動いたか。
先生の読み聞かせを見ていて、そう感じるようになりました。

絵本は、知識と心の両方を育ててくれる
以前、私は「モンテッソーリ教育では、現実を伝える絵本を大切にしている」という記事を書きました。
- 写実的な絵本。
- 生活の絵本。
- 季節の絵本。
- 図鑑。
どれも、子どもが本物の世界と出会うための大切な入り口です。
そして今は、それだけではないと思っています。
例えば、『さくら』の絵本。
桜の一年を知るだけではありません。
- 「きれいだね。」
- 「もう散っちゃうね。」
- 「また来年咲くんだね。」
そんな会話をしながら、春を感じ、季節の移ろいを感じ、命のつながりを感じる。
その時間が、子どもの心を少しずつ育てていくのだと思います。

物語の絵本だけではありません。
写実的な絵本も、
生活の絵本も、
図鑑も、
どんな絵本にも、子どもの心が動く瞬間があります。
だから私は、ジャンルよりも、「どう読むか」の方が大切なのではないかと思っています。
私が一番育ってほしいのは、「心」
もちろん、読み聞かせには語彙力や国語力、思考力など、たくさんの効果があると言われています。
それも、とても嬉しいことです。
でも、私が一番育ってほしいと願っているのは、「心」です。
『おべんとうなあに?』では、ぞうくんの「ぶわーーーーん!」を思い切り演じます。
すると娘は、「ここにあるよ!」と、一生懸命教えてくれます。
『ちいさなねこ』では、お母さんねこになりきります。
赤ちゃんねこを助ける場面では、少し大げさなくらい力強く読みます。

娘には、
「お母さんは何があってもあなたを守るよ。」
「あなたは、お母さんにとって大切な存在なんだよ。」
そんな安心感が伝わったらいいなと思っています。
笑ったり、
驚いたり、
安心したり、
時には涙を流したり。
そんな一つひとつの経験が、子どもの心を少しずつ豊かにしていくのではないでしょうか。

今日、一冊読めたら、それでいい
毎日忙しい中で、理想どおりに読み聞かせを続けることは簡単ではありません。
読めない日があってもいい。
一冊だけの日があってもいい。
大切なのは、「今日は何冊読めたか」ではなく、「どんな時間を過ごせたか」。
私は今、そう思っています。
読み聞かせは、知識を教える時間ではありません。
子どもが世界と出会い、
世界を感じ、
心を動かす時間。
そして、親子が同じ時間を味わう時間です。
今日も完璧にはできないかもしれません。
それでも、
「絵本、読もうか。」
その一言から始まる親子の時間を、これからも大切にしていきたいと思っています。🌷

