小学生まで使える!『ピンクタワー』の活用方法をすべて紹介|モンテッソーリ【感覚教育】
今回は、モンテッソーリ教育の感覚教具『ピンクタワー』の活用方法を紹介します。
こんな方におすすめ
- ピンクタワーを買おうか、悩んでいる
- ピンクタワーを買ってみたものの、うまく活用できていない・・・
- おうちでできるモンテッソーリ教育に興味がある
- ピンクタワーについて詳しく知りたい
ピンクタワーってなに?
ピンクタワー(桃色の塔)は、モンテッソーリ教育で使用される感覚教具の一つです。1cm〜10cmまで、1cm刻みで変化する10個のピンク色の立方体で構成されています。

モンテッソーリの感覚教育では、下記の組み合わせで様々な感覚教具がありますす。

ピンクタワーは、大きさ(次元)と重さの差異を、視覚と触覚を用いてグレーディングします。
なぜピンク色なの?
ピンク一色で統一されているのは、『大きさの違い』だけに集中するためです。「大きいものは赤」といったように、大きさと色が固定概念として結びつかないよう工夫されています。また、ピンク色は子どもが好むと言われており、子どもが自然と興味・関心を惹くためにピンク色が使用されています。
ピンク色でかわいいね!
知育効果
ピンクタワーの知育効果は、主に以下の5つがあります。
主な知育効果
- 手指の器用さと集中力の向上
- 「大きい・小さい」という抽象的概念の理解
- 「順序立て」による論理的思考力の向上
- 問題解決能力の育成
- 数学的概念・空間認識能力の土台づくり
①手指の器用さと集中力の向上
10個の立方体を積み上げる作業を通して、指先の力やコントロール力を鍛えます。特に小さい立方体は軽いため、ずれないように慎重に置く必要があります。ピンクタワーを完成させることで、集中力を向上させ、自信や自己肯定感を育むことができます。

②「大きい・小さい」という抽象的概念の理解
ピンクタワーは同じ形・色をしているシンプルな立方体であるため、大きさだけを抜き取って比較することができます。「10段階」の立方体を比較する練習を繰り返すことで、「大きい・小さい」という抽象的概念が身についていきます。

③「順序立て」による論理的思考力の向上
大きさを識別するためには、比較と分析を繰り返さなければなりません。また完成を目指す過程で、次に置くものを予測する推理力や、一定の法則を見つけ出し整理・分類する力が必要となります。この「順序立て」を通して、論理的思考力を習得します。

④問題解決能力の育成
ピンクタワーは順番を間違えて積むと、タワーの形が歪になったり崩れたりします。子どもは視覚的な違和感から自ら誤りに気づき、「間違いの自己訂正」を行います。この過程を通して、問題解決能力が育っていきます。

⑤数学的概念・空間認識能力の土台づくり
「10段階」で変化する10個の立方体を使うことで、「十進法」の概念を自然と吸収します。また、1cm刻みという長さの変化から、メートル法の感覚が養われます。
さらに、発展活動としてカードを使用することで、「平面・立体」、「面積・体積」という算数教育に触れることができます。2次元から3次元(3次元から2次元)を捉える練習は、空間認識能力を飛躍的に高めます。

対象年齢
2歳半〜3歳頃の子どもを対象としている教具ですが、活用方法によって小学生でも楽しむことができます。
【ステップ別】ピンクタワーの活用方法
ここからは、ピンクタワーの活用方法をステップ別で紹介します。子どもの年齢や発達に合わせて、スモールステップで取り組みましょう。
ステップ1:運ぶ・置く
まずは、ピンクタワーを運ぶことから始まります。一番大きい10cmの立方体は、子どもの手よりも大きく、重いため、両手でしっかりと持つ必要があります。一方で1cmの立方体は、指先で摘んで運びます。1個ずつ運ぶ動作を通して、視覚と触覚から「大きい」「小さい」を体得します。

ステップ2:垂直に積む
視覚と触覚を用いて「大きさ」を識別し、垂直に積み上げる活動をします。バラバラの中から「一番大きいもの」を選び、土台として置きます。次に大きいものを選び、中心に合わせて積んでいく動作を繰り返します。

順番を間違えてもすぐに指摘せず、子どもが自分で気づくまで待ちましょう。
大きさの違いを認知できるようになったら、ピンクタワーの置き方も工夫してみてください。大きい順に積むだけでなく、カゴに入れたり段階的に並べたりと、決まった秩序をあえて変えていきます。置き方の変化により子どもの視野や考え方を広げ、やり方は一通りではないことを視覚的に吸収することができます。また、「秩序の敏感期」の子どもにとっては、無秩序に適応していく練習となります。

ステップ3:「大きい・小さい」の導入
「大・小」の感覚を掴み始めたら、「大きい」「小さい」という言葉を伝えましょう。まずは「これは大きい・これは小さい」と、最大と最小の立方体だけを比較します。次に、3つの立方体を並べ、「一番大きい・一番小さい」を理解します。微妙な大きさの変化にも慣れてきたら、「これはAより大きい・これはBより小さい」といったように、視点によって「大きい・小さい」が変わることを説明しましょう。

積み上げたタワーを見ながら、10段階の正方形に切ったピンクの色画用紙を台紙に貼る作業をすることで、さらに「大きい・小さい」が定着します。最初は、「貼るサイズの枠が描かれた台紙」を使用します。文字の理解が進んでいる場合は、「おおきい」「ちいさい」と文字を書き加えてみましょう。(画用紙の大きさの関係で、家では3〜7cmの5つを使っています。)

ステップ4:「ルール」の追加
積み上げ方や並べ方に「ルール」を追加しましょう。角を揃えて積んだり、横一列に水平に並べたり、置き方を発展させていきます。

目隠しをして、触覚だけを頼りに大きい順番に並べる活動もおすすめです。触ったり持ち上げたり、手の感覚だけで立方体の大きさを比較します。子どもは、「目を瞑る」という行為自体も集中力が必要です。お仕事中はアイマスクを使用し、大きさを比べることだけに集中できるように工夫してみてください。

1〜10の数を理解できるようになったら、「一番目」だけでなく「二番目(三番目・・・)に大きいものは?」と質問も発展させていきます。規則的に積んだタワーから立方体を一つ抜き取り、正しい場所を当てる活動もおすすめです。分析する力や想像力、推理力が育まれます。

ステップ5:応用活動
ステップ4まで進んだら、カードを見ながら同じ配置に立方体を並べる練習をします。
まずは立方体と同じ大きさで描かれたカードを使用し、パターンカードの上にぴったりになるように載せていきます。最初は、1個ずつ立方体が描かれたカードに合わせてみましょう。

次に、カードを見ながら、カードの横や下に立方体を並べていきます。カードを立て掛けた状態で垂直に配列を見ながら立方体を並べる活動は、更にレベルが上がります。頭の中で「垂直」から「水平」に置き換えることは大人の想像以上に難しく、空間認識能力がかなり鍛えられます。

慣れてきたら、パターンカードを見せた後にカードを伏せ、記憶した情報で立方体を並べてみましょう。並べ終わったら、合っているかカードと見比べることで「間違いの自己訂正」ができます。記憶力や集中力が伸びる活動です。
6歳以降では、全ての立方体が描かれていないパターンカードを使用するのもおすすめです。一部の配列から、規則性を見出して残りも完成させていきます。順序性に規則性が加わることで、数学的思考力をさらに伸ばすことができます。
(パターンカードの例↓)

ピンクタワーの購入方法
ピンクタワーは、モンテッソーリ教具の専門店や、Amazon・楽天で購入できます。
前述した通り、本来の教具はピンク一色で1〜10cmの立方体ですが、0.7cm刻みの一回り小さいサイズのピンクタワーも売られています。1cm刻みによる長さや体積の変化は習得できませんが、おうちで活用する分には「安価なもので十分」というのが私の感想です。
『茶色の階段』という感覚教具と組み合わせて使用したい場合は、1cm刻みか0.7cm刻みかどちらかに統一することがおすすめです。
教育現場では、1mmでも「誤差がない」精密な作りの教具が推奨されています。予算や設置場所の広さに合わせて選んでみてください。


