算数教育の基礎となる円柱さしの活用方法【モンテッソーリ感覚教育】
今回は、モンテッソーリ教育の感覚教具『円柱さし』の活用方法を紹介します。

こんな方におすすめ
- 円柱さしを買おうか、悩んでいる
- 円柱さしを買ってみたものの、うまく活用できていない・・・
- おうちでできるモンテッソーリ教育に興味がある
- 円柱さしについて詳しく知りたい
円柱さしってなに?
モンテッソーリの円柱さしは、直径や高さの異なる円柱を対応する穴へはめ込む感覚教具の一つです。
感覚教育では、下記の組み合わせで様々な感覚教具があります。

円柱さしは、1つの穴に1つの円柱しか入らない設計になっており、大きさ(次元)の変化を視覚と触覚を用いてペアリングします。
A(太さは全て同じで、高さだけが変化)、B(高さは全て同じで、太さ(直径)だけが変化)、C(太いほど高くなり、細いほど低くなる)、D(太いほど低くなり、細いほど高くなる)の全4セットあります。

知育効果
円柱さしの知育効果は、主に以下の5つがあります。
主な知育効果
- 視覚による識別能力の向上
- 「量の感覚」の体得
- 手指の巧緻性の向上
- 数学的思考の取得
- 集中力と自己訂正の能力の向上
①視覚による識別能力の向上
円柱さしの活動を通して、大きさ(直径や高さ)の微妙な変化に気づく力が養われます。視覚や触覚の感覚を洗練させることで、多くの情報を収集する能力に繋がっていきます。

②「量の変化」の体得
円柱の大きさを比較することで、「大きい・小さい」「太い・細い」「高い・低い」といった概念を体得することができます。

③手指の巧緻性の向上
円柱のつまみを「親指・人差し指・中指」の3本で摘む動作は、指先の筋力を鍛え、手首のコントロール力を高めることができます。この動作を繰り返すことで、将来の鉛筆を正しく持つ準備となり、運筆のスムーズさに繋がります。

④数学的思考の基盤作り
1つの穴に1つの円柱しか入らない対応関係や、規則的な変化を体験することで、算数・数学の概念(量や体積)の基盤を築くことができます。
⑤集中力と「自己訂正」の能力向上
円柱さしは、間違った穴に入れると最後に入らなくなる設計になっています。そのため、大人から指摘されなくても、子ども自身で間違いに気づきやり直す力を育むことができます。こうした活動を通して、最後までやり遂げる集中力を鍛えることに繋がります。

対象年齢
対象年齢は、2歳半〜6歳が一般的とされています。発達段階に応じて使い方が変わるため、子どもの発達や関心に合わせて取り入れることが重要です。
円柱さしをやってみよう
モンテッソーリの円柱さしは、大人がやり方を見せる「提示」から始めます。以下のステップで進めてみてください。
1.大人がやり方を見せる(提示)
まずは大人がゆっくりと、言葉を使わずに動作を見せます。
親指・人差し指・中指の3本で円柱のつまみを持ちます。この動作は、鉛筆持ちの準備になります。

1ブロックを選び、全ての円柱を抜きます。台の前に無秩序に並べましょう。

指先で円柱の底や穴の縁をなぞり、大きさを確かめます。
合う穴を見つけたら、静かにはめ込みます。

2.子どもが取り組む(実践)
子どもに交代し、自由にやってもらいます。
ブロックの取り組む順番は、視覚的にわかりやすい「B→C→D→A」の順で進めるとスムーズです。

3.発展活動
慣れてきたら、以下のような発展活動を取り入れてみましょう。
①目隠しでの挑戦(触覚の洗練)
「穴の大きさ・深さ」「円柱の太さ・高さ」を指でなぞり、これらを照らし合わせて手の感覚だけを頼りに正しくはまる場所を探します。視覚を遮断することで、指先の感覚がより鋭敏になり、触覚を洗練させて集中力も鍛えることができます。
②複数ブロックの混合
最初は1ブロックで行いますが、慣れてきたらブロックの数を増やしていきます。最終的には4ブロック全ての円柱を混ぜて、バラバラの状態から正しい穴に戻していきます。視覚的な情報量が圧倒的に増えるため、高い識別能力と根気が必要になります。

③離れた場所からの運び入れ
ブロックを置いた場所から少し離れたところに、円柱を置きます。台の穴を見て大きさを記憶し、その穴に合うと思う円柱を1本だけ選んで持っていきます。この活動を通して、短期記憶と集中力を鍛えることができます。
④言語教育の導入
大きさの比較概念と、言葉を結びつけます。「大きい・小さい」「太い・細い」「高い・低い」「厚い(深い)・薄い(浅い)」「重い・軽い」といった形容詞の比較級・最大級を学ぶことができます。
円柱さしの購入方法
モンテッソーリの円柱さしは、本格的な「教具」から、家庭で使いやすい「知育玩具」まで幅広く販売されています。
モンテキッズや学研モールなどの教具専門店では、園でも使われる高品質な本格教具を取り扱っています。1ブロックにつき10本の円柱が用意されており、本来の十段階の変化を体験することができますが、価格は2〜3万円前後します。
一方で、家庭用のミニサイズは2000〜4000円前後で購入可能ですが、1ブロックにつき5本の円柱であることが多いです。我が家では、Amazonでミニサイズの円柱さしを購入しましたが、充分活用できています。

カラフルな円柱さしも販売されていますが、「大きさの違い」だけに集中できる無塗装のタイプがおすすめです。目的や設置スペースに合わせて選んでみてください。


