もうすぐ父の日。

「パパにありがとうを言おうね」「プレゼントを渡そうか」

そんな声かけをするご家庭も多いかもしれません。

感謝を伝えられる人になってほしい。優しい人になってほしい。

そう願うのは、親として自然なことです。

では、「ありがとう」はどのように育っていくのでしょうか。

「ありがとう」は教えるもの?

私は、「ありがとう」は教えるものだと思っています。

  • 「ありがとう」
  • 「ごめんなさい」
  • 「こんにちは」

こうした言葉は、人と関わりながら生きていくために大切な言葉です。

だから、「こういう時はありがとうって言うんだよ」と伝えることも必要です。

親自身が「ありがとう」をたくさん使うことも大切です。

ただ、言葉だけを教えれば感謝の心が育つわけではありません

その前に必要なものがあります。

感謝の心は、気持ちに気づくことから始まる

例えば、お友達がお菓子を分けてくれた時。「ありがとうは?」と促すこともできます。

それも悪いことではありません。

でも、その前に、「どう思った?」「嬉しかった?」と問いかけてみることもできます。

嬉しかった。助かった。優しくしてもらった。

そんな気持ちに気づくことで、「ありがとう」という言葉と気持ちがつながっていきます。

お菓子をもらって嬉しい気持ちに気づき、「ありがとう」につながる様子を表したイラスト

モンテッソーリ教育では、まず「感じること」を大切にします。

感謝の心もまた、気持ちに気づくことから少しずつ育っていくのかもしれません。

子どもは「ありがとう」が飛び交う環境を吸収している

子どもは、大人の姿をよく見ています。

「ありがとう、助かったよ」
「作ってくれてありがとう」
「ありがとう、嬉しいな」

そんな言葉が自然に交わされている家庭の中で、子どもは、

「ありがとうってこういう時に使うんだ」「ありがとうって言われると嬉しいんだ」

ということを少しずつ吸収していきます。

パパとママが伝え合う姿。お店の人や周りの人に感謝を伝える姿。

そして、子ども自身にも「ありがとう」を伝えること。

そんな日々の積み重ねが、感謝の心を育てていくのだと思います。

大人同士が「ありがとう」を伝え合う姿を見つめる子どものイラスト

「ありがとう」の世界は少しずつ広がっていく

小さい子どもの「ありがとう」は、とてもわかりやすいものです。

お菓子をくれた。
おもちゃを貸してくれた。
遊んでくれた。

自分に何か嬉しいことがあった時に、「ありがとう」を伝えます。

これは目の前で起きた、具体的な感謝です。

だからこそ、大人も教えやすいのだと思います。

でも、感謝はそれだけではありません。

父の日の「いつもありがとう」はどうでしょう。

一つの出来事に対する感謝ではなく、

毎日頑張っていること。
そばにいてくれること。
見守ってくれていること。

そんな目には見えないものへの感謝です。

小さい子どもにとっては、まだ少し難しいかもしれません。

親も、言葉で説明することは難しいと思います。

それでも、「パパ、いつもありがとう」と伝える。

パパが嬉しそうな顔をする。

家族みんなが笑顔になる。

そんな経験を重ねる中で、子どもは少しずつ感謝の世界を広げていきます。

「お菓子をくれてありがとう」から、「いつもありがとう」へ。

そしていつか、自分を支えてくれている人や、食べ物や自然、目には見えないたくさんのものへも、感謝の気持ちを向けられるようになるのかもしれません。

「お菓子をくれてありがとう」から「いつもありがとう」、さらに多くのものへの感謝へと広がる感謝の心を表したイラスト

モンテッソーリ教育では、「具体から抽象へ」という考え方を大切にしています。

感謝の心もまた、時間をかけながら少しずつ育っていくものなのだと思います。

モンテッソーリ教育における感覚教育の重要性を表したイラスト
なぜモンテッソーリ教育は感覚教育を重視するの?モンテッソーリ教育では、なぜ感覚教育を大切にするのでしょうか。色や形、音などを感じる体験は、言葉や数を学ぶ土台になります。感覚教具の役割や「具体から抽象へ」の考え方について、わかりやすく解説します。...

子どもが主体的に「ありがとう」を伝えられるようになるために

「ありがとう」を教えるか、教えないか。そんな単純な話ではないのかもしれません。

「ありがとう」があるれる家庭のイラスト

親にできることは、

  • 子どもの気持ちに気づく手伝いをすること。
  • 大人自身が「ありがとう」を伝えること。
  • 「ありがとう」が飛び交う温かい環境を作ること。

父の日は、上手に「ありがとう」を言う日ではなく、家族の中に「ありがとう」があふれる時間を味わう日なのかもしれません。

まとめ

「ありがとう」は教えるものなのでしょうか。

きっと、教えることも大切です。

そして、感じることも同じくらい大切なのだと思います。

嬉しかった。助かった。誰かが喜んでくれた。

そんな経験と、「ありがとう」が飛び交う温かい環境。

その両方の中で、感謝の心は少しずつ育っていきます。

父の日だからこそ、家族の中に「ありがとう」があふれる時間を大切にしたい。

そんな一日になったら素敵だなと思います。

合わせて読みたい記事🌱
🔗子どもにあった環境ってなに?
🔗主体性ってなんだろう?
🔗吸収する精神とは?

おすすめの二冊🌸
📖『子どもの心の声を聴くモンテッソーリ教育で大切にしていること』相良敦子
モンテッソーリ教育における「人格の尊重」や「子どもの内面」に焦点を当てた一冊。「ありがとうを言わせる」よりも、「子どもの気持ちを理解する」ことの大切さを改めて考えさせてくれます。この記事の「どんなきもち?」「感謝の心は気持ちに気づくことから始まる」という部分と深くつながる本です。


📖『子どもへのまなざし』
長年愛され続ける子育ての名著。子どもは、言葉で教えられるよりも、大人の姿や家庭の空気を吸収しながら育っていくことが優しく語られています。この記事の「子どもは大人の姿を見ている」という章をもっと深く味わいたい方におすすめです。

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