モンテッソーリ教育について調べていると、

素敵に整えられた子ども部屋や、美しく並んだ教具を目にすることがあります。

すると、「もっと環境を整えた方がいいのかな」「こんなふうにできていない私は大丈夫かな」と思うこともあるかもしれません。

でも実際の子育ては、理想通りにはいきません。

兄弟がいたり、仕事が忙しかったり、子どものためだけの環境を用意するのが難しいこともあります。

それでも子どもは、日々の暮らしの中でたくさんのことを学びながら育っていきます。

では、モンテッソーリ教育が大切にする「環境」とは何なのでしょうか。

モンテッソーリ教育の環境づくりについて考える親と遊ぶ子ども

1. モンテッソーリ教育における環境とは?

「環境」というと、教具やおもちゃ、家具などを思い浮かべるかもしれません。

もちろんそれらも環境の一部です。

でもモンテッソーリ教育でいう「環境」は、それだけではありません。

例えば、

  • 子どもが過ごす空間
  • 家族との関わりや家庭の雰囲気
  • 睡眠や食事などの日々の生活リズム

も環境です。

SNSでは棚や教具が目立ちますが、子どもが毎日触れている環境はもっと広いものです。

子どもは、日々の暮らしの中から多くのことを吸収しながら育っていきます。

母や兄の姿から学ぶ子ども

2. 子どもには、環境から学び取る力がある

モンテッソーリ教育では、子どもは環境の中から自ら成長していく存在だと考えられています。その土台になるのが、「自己教育力」と「吸収する精神」です。

子どもは、自分に必要なものを環境の中から吸収しながら成長していきます。

兄や姉の遊びを真似したり、大人の会話を聞いていたり、親が意図していなかったことに夢中になったり。

子どもは、与えられたものだけで育つわけではありません。

環境の中から、自分で学び取る力を持っています。

だからまずは、「もっと整えなきゃ」ではなく、「子どもには育つ力がある」ということを思い出しましょう。

3. 子ども中心にしなければいけないわけではない

モンテッソーリ教育について学んでいると、「子どもに合った環境を整えよう」という言葉をよく目にします。すると、子どもに合わせてすべてを整えなければいけないように感じることがあります。

でも家庭は、子どもだけの場所ではありません。

お父さんやお母さんの暮らしがあり、家族のリズムがあります。

だから環境づくりは、「子ども中心の家を作ること」ではなく、「家族みんなが心地よく暮らせる中で、子どもも過ごしやすくすること」だと私は思っています。

完璧な環境を目指さなくても大丈夫です。

絵本を取りたい女の子と見守る女性

4. 「環境を整える」の本当の意味

環境づくりというと、「子どもが困らないようにすること」だと思われがちです。

もちろん、安全面への配慮は大切です。

でも、モンテッソーリ教育が大切にしているのは、「子どもの困りごとをなくすこと」ではありません。

子どもは、困ったり、考えたり、試したりしながら育っていきます。

以前、娘が歯磨き粉を自分で歯ブラシにつけたがったことがありました。

なかなかうまくいかず、「手伝おうか?」と聞いても「やる!」の一点張り。しばらくすると、チューブを上向きにして押し、落ちてくる歯磨き粉を歯ブラシで受ける方法を思いつきました。

もし最初から大人がやってあげていたら、この工夫は生まれなかったかもしれません。

環境を整えることの本当の意味は、「困りごとをなくすこと」ではなく、「子どもが挑戦できる余白を残しておくこと」

子どもを信じて、「子どもが持っている力を発揮しやすくすること」なのだと思います。

5. 今日からできる小さな環境の見直し

ここまで読んで、「何か環境を変えた方がいいのかな」「どう変えたらいいのかな」と思った方もいるかもしれません。

でも、必ずしも大きく変える必要はありません。

例えば、

  • 絵本を自分で選べる場所に置く
  • 片付ける場所を分かりやすくする
  • 自分で選べる服を用意する
  • 少し生活リズムを整える

そんな小さな工夫も立派な環境づくりです。

また、環境はモノだけではありません。私たち大人の関わり方も、子どもにとって大切な環境です。

例えば、子どもが何かに挑戦している時、つい先回りして手伝いたくなることがありますが、そこはグッと堪えましょう。

そして、できたことだけを「すごいね」と褒めるのではなく、「考えていたね」「諦めなかったね」「工夫していたね」と、その過程に目を向けた声かけをしましょう。子どもが自分を信じる力につながっていきます。

環境づくりとは、棚を整えることだけではありません。子どもの挑戦を見守ることも、環境づくりの一つなのだと思います。

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6. 分からなくなったら、また観察に戻る

STEP7では「観察」について、STEP8では「観察した後の考え方」についてお話ししました。

環境づくりにも正解はありません。

どんなに考えて整えても、思った反応が返ってこないことがあります。

そんな時は、「もっと環境を整えなきゃ」ではなく、「今のこの子は何に興味があるのかな」と、また観察に戻ってみましょう。

観察して、環境を整えて、また観察する。

その繰り返しの中で、その子に合った環境は少しずつ見えてきます。

まとめ

モンテッソーリ教育が大切にする環境とは、特別な教具や美しい棚だけではありません。

日々の暮らしそのものが環境です。

そして子どもには、その環境の中から学び取り、自ら育つ力があります。

だから完璧な環境を目指す必要はありません。

大切なのは、子どもが自分で考え、挑戦し、成長できる土台を整えること。

環境づくりとは、子どもを変えることではなく、子どもの持つ力を信じることなのかもしれません。

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