育児の本をたくさん読んでいるのに、どうして子育てがうまくいかないんだろう・・・


わかる・・・育児本をたくさん読んでも、目の前の子どもに日々実践するのは難しいよね。
世の中にはたくさんの育児本で溢れていますが、育児本を読んだから子育てができるか?と聞かれたら、うまくいかないことも多いと思います。
育児に家事に仕事・・・日常をこなすことに精一杯で、本を読んでいる時間も惜しい方も多いでしょう。
そこで、今まで100冊以上の育児本を読んできた私が

「育児本はあくまで参考程度に」「子育てで即実践する方法を知りたい」方向けに、おすすめの育児本を子育てへの取り入れ方つきで紹介します!
今回、紹介する本はこちらです。
好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ?」「どうして?」の伸ばし方

本の内容
子どもの対象年齢
2歳半〜小中学生ごろ
本の要約
これからの時代に必要な力
◾️これからの時代に必要となる能力は「知の探索」です。
◾️既存の知識を深ぼっていく「知の深化(=勉強)」も大切ですが、知の幅を広げて新しい組み合わせの知を生み出す力こそ、AIに仕事を奪われると言われている時代には不可欠となります。
アントレプレナーシップと5つの力
◾️「アントレプレナーシップ」とは起業する人が持つべき考え方や能力を指す言葉です。変化の激しい時代を生き抜くためには、「起業する人」と同じように、自ら考え行動し、変化を起こしていく必要があります。
◾️本書では「アントレナーシップ」=「ゼロイチ力」と表し、5つの土台を挙げています。
「ゼロイチ力」の土台となる5つの要素
①気づく力 ②対話する力 ③探究する力 ④行動する力 ⑤失敗する力
ゼロイチを生み出す力の育み方
◾️AIにできないことは、「問いを生み出すこと」です。つまり、身の回りの課題に気づき、問いを生み出すことが最も重要です。
◾️5つの「ゼロイチ力」の育て方
- 気づく力
- 子どもの疑問に「なんでだろうね」で終わらせず、新たな問いや気づきが生まれるように会話を広げていく。
- 身の回りの不便なことに気付けるよう、「半径5メートルの気づき」探しに取り組む。
- 親の気づきも「なんでだろう」と子どもに問いかけ、共有していく。
- 親の固定概念を捨て、新しい情報を子どもと共に学んでいく。
- 対話する力
- 親の友人に会わせるなど、親や先生以外の大人と会話する機会を設ける。
- オープンクエスチョンで、考えていることを発言する練習をする。
- 探究する力
- 人に質問する、本やネットを活用するなど、わからないことをそのままにせず調べる癖をつける。
- わからないことや困ったことに対して多面的な問いかけをし、問題を自分の感情と切り離して客観視する練習をする。
- 行動する力
- やりたいこととやりたくないことを自分で決めさせ、「やってみたい」は否定せず、やらせてあげる。
- 1日の活動の優先順位を決めて、最低限のルールを設けながら、子ども自身で時間管理ができるようにサポートしていく。
- 失敗する力
- 失敗を失敗と思わせず、失敗に慣れさせる。
- うまくいかなかった理由を一緒に考え、成長できるチャンスにする。
◾️「おうちアントレ教育プロジェクト」
- 五感を使うキャンプをする
- 子どもが企画し、好きを見つける家族旅行をする
- 不用品をメルカリで出品してみる
- 子どもが食べたいと思う、オリジナル料理に挑戦する
- 家の中の「不便」や「不満」を見つける「半径5メートルの気づき」探しをする

まとめ
◾️子どもの「ゼロイチ力」を伸ばすには、子どもの好奇心や失敗を否定せず、「なぜ?」と向き合うことが大切です。
◾️親も「ゼロイチ力」を鍛えて学び続けることが、子どもの「ゼロイチ力」を育む上で重要となります。
子育ての取り入れ方
これからの時代に必要となる「ゼロイチ力」。そして、子どもの「なぜ?」を広げていくことの重要さが理解できたかと思います。
ここからは、日常での実践編を紹介していきます。
子どもの「なぜ?」にどう返すか
子どもから「なんで?」って聞かれても、自分もわからないから
「なんでだろうねぇ?」で会話が終わっちゃうだよなぁ・・・


うんうん。簡単な質問だったらいいけど、子どもって哲学的なことだったりモノの概念的なことだったり、意外と難しい質問をしてくるよね。
例えば、「りんごってどうして赤いの?」「雷ってどうして大きな音が鳴るの?」と質問をされても、私も(なんでだろうねぇ?)と一緒に首を傾げてしまいます。
子どもの「なぜ」に、親が答えを知っているからこそ、導く別の問いかけが思い浮かぶわけです。『東大生の家庭の約9割が新聞を購買している』という話もありますが、本や新聞を日常的に読んでいる親の知識の多さも関連しているのでしょう。
つまり、子どもの「ゼロイチ力」を育むには、やはり親の知識や教養も重要だと言えます。
でも今から色々な分野の知識をつけるのは大変だし、キリがないよ・・


そうだよね。子どもの疑問を上回る知識を持つことを目標とするのは、あまりに無謀です。
子どもの「なぜ?」に困ったときの対応
▶️「むずかしい良い質問だね」「私もわからないから(あとで)一緒に調べよう」「〇〇ちゃんはどう思う?」
まずは、「なんでだろうね?」で終わらせない意識を持ちましょう。疑問を持ったことを肯定し、親もわからないことはわからないと素直に認め、そして約束通り子どもと一緒に調べましょう。
親が考えたり、学んだりする姿を子どもに見せるだけでも良い影響を与えます。

「なぜ?」の返答であまりしてほしくないこと
- 嘘をつくこと
- 「なぜ?」に対して、子どもが理解しやすいように説明することは大切です。しかし、わかりやすさを追求するあまり嘘を教えていませんか?
- 今はすべてわからなくても、子ども扱いしすぎないようにしましょう。
- 質問返しばかりすること
- 子どもに自ら考えてほしいばかりに「どうしてだと思う?」を繰り返すのは、子どもにとって負担です。芽生えた好奇心を摘むんでしまう可能性もあります。
- 全て説明すること
- 親の知っているすべてを教えたい気持ちはわかりますが、子どもの考える力を育て、引き出すことが目的であると忘れないようにしましょう。
日常生活の「不」の気づき
子どもから「できない!」「手伝って!」と言われたときこそチャンスです。
例えば、蓋が硬くて開けられずに困っていたら「ここ(蓋)がもっと柔らかかったらいいのかな〜?」。長ズボンがうまく履けずに癇癪を起こしていたら「足の出口がもっと広かったら履きやすいのかな?」「右左がわかりにくいのかな?」など。
「手伝って」は甘えているだけの場合もありますが、日常生活にまだ慣れていないからこそ多くの「不」が身近にあります。子どもの「できない」を前向きに活かしてみてください。

子どもが自ら「やってみよう」と思うためにできること

子どもの好奇心を引き出したい気持ち、一方で、面倒くさいことはやらせたくない気持ち、よくわかります。
その上で、子どもが自主的に「やってみよう」と思うためにできることを紹介します。
「やってみよう」と「やってみたい」を区別する
まず「やってみよう」と「やってみたい」は、似ているようで異なります。
- 「やってみよう」は具体的な行動が決まっていて、その行動を試したい時。
- 「やってみたい」は強い興味や願望を叶えるための行動を取りたい時。
つまり、まずは子どもの「やってみたい」気持ちを引き出すことが第一歩なのです。次に、具体的な行動を起こす「やってみよう」に繋げていく必要があります。
まずは「やってみたい」を制する
「やってみたい」には、大きく2パターンあります。
- もう少しでうまくいきそうだから「やってみたい」パターン
- 次の行動が決まっているので「やってみよう」に繋がりやすいです。
- (やればできるかも)と自信がある状況なので、基本的には見守る姿勢がベストです。
- 「やってみよう」に踏み込めないときは、「一緒にやってみる?」「なにかお手伝いする?」といったサポートを意識した声掛けをしてみてください。
- 疑問や興味、関心から「やってみたい」パターン
- 純粋な好奇心である場合も、「やってはだめ」と制限されているから「やってみたい」場合もあります。
- 制限から芽生える好奇心は、やってはいけない理由や線引き(ルール)を子どもと一緒に考えてみましょう。
- 純粋な好奇心である場合は、「やってみよう」に繋がるように見守ったり、困っているときは具体的な行動を一緒に考えたりしましょう。

「やってみたい」と言える環境作り
子どもが「やってみたい」と思ったとき、実際は大人の協力が必要となる場合が多いでしょう。
大人から反対されたり馬鹿にされたりした経験が積み重なると、「やってみたい」「やってみよう」と打ち明けることができなくなります。そして、その気持ちを押し殺すことで、「自分の好き」や「やりたいこと」を見失っていきます。
まずは、どんな「やってみたい」でも最初から否定はせず、その気持ち自体は尊重できることを伝えましょう。そして、時間、お金、その他さまざまな制限がある中で、「やってみよう」に繋がる道を子どもと一緒に考えてみてください。
まとめ
これからの時代を生き抜くために不可欠なゼロイチ力。子どもの「なぜ?」にどう返し、どう成長に繋げるか?
親は仕事に家事、育児。子どもは学校に習い事、塾。
親も子どもも「余白の少ない」時代で、子どもの将来の芽を潰さないためにできる親育ての重要さを痛感しています。
ぜひ、今日からできることを実践してみてください。