うちの子、こだわりが強くて神経質で大変・・・イヤイヤ期つらいよ〜
きつねちゃん、もしかしたらそれ、イヤイヤ期だけではなくて『秩序の敏感期』かもしれないね!
1〜3歳の子育て中の皆様、こんな経験ありませんか?
- 保育園までの道順がいつもと違うだけで大泣き・・・
- 保育園の帰り道、普段は寄らないスーパーに行ったら癇癪
- いつも使っているスプーンじゃないと食べてくれない
- ママの席にパパが座っていたら怒る
- 洋服は、お気に入りの赤い服だけを着る
「こだわりの強い子ども」「神経質な子ども」「わがままな子ども」と誤解されたり、心配されたりしがちなこれらの行動。実は、大切な発達の段階なのです。
モンテッソーリ教育の提唱者であるマリア・モンテッソーリは、子どもが駄々をこねているのは、①自分がやりたかったのに大人がやってしまった、②子ども自身の「秩序」が乱された、のいずれかに原因があると考えました。
子どもの性格が原因と考えたり、イヤイヤ期に振り回されてイライラしたり、そんな悩みを抱えている方向けに、今回はモンテッソーリ教育の『秩序の敏感期』について、詳しく解説していきます。
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モンテッソーリ教育の敏感期とは?
敏感期とは、「一つの発達を遂げるための、強い興味や関心が芽生える時期」のことです。
子どもは、自分の置かれている環境に積極的に関わっていきます。それは、今どんな能力を伸ばせばよいのか探しているからであり、感受性が豊かになっている時期なのです。
赤ちゃんがリモコンやティッシュを見つけて遊んでいたり、大人が教えなくてもつかまり立ちできる場所を見つけたりするのは、この「敏感期」が関わっているんだね。
子どもには自分を発達させる力があり、発達の課題として敏感期が現れます。敏感期は、発達の目印でもあるのです。
大人は敏感に「敏感期」に気づき、子どもが安全に集中できる環境を用意することが大切です。「敏感期」を理解することで、子どもの行動を抑えつけたり無視したりすることを避けることができます。
「敏感期」の種類と時期
幼少期の子どもたちには、いくつかの特徴的な敏感期が現れます。
- 言語の敏感期
- 秩序の敏感期
- 運動の敏感期
- 感覚の敏感期
- 数の敏感期
- 文化の敏感期
今回は、②秩序の敏感期について解説します。
秩序の敏感期
秩序の敏感期は、生後6ヶ月〜4歳ごろまで見られます。1歳半から2歳半の間が、敏感期のピークになります。
この時期の子どもは、物事の「場所」「位置」「方向」「順番」「やり方」「習慣」などに、強いこだわりを持ちます。「いつもの同じ」に安心感を見出すため、大人には理解できない些細な「いつもと違う」ことで不安になって泣いたり不機嫌になったりします。

なぜ「秩序」にこだわるの?
子どもは、この世界についてまだあまり分かっていません。子どもにとっては知らないことが沢山あり、不安が多いのです。
「秩序」が守られた環境により、子どもは「いつもと同じで変わらず安心できる」のです。そして「いつもと同じ」中で、自分を取り巻く環境と自分の関係を記憶し、世界における自分の位置や社会の仕組みを理解していきます。
「秩序」を守ることのメリット
「いつもと同じ」を続けるって意外と大変・・・「秩序」を守ってあげて何かいいことってあるの?
忙しい朝は特に大変だよね。でも「秩序」を守ることで、落ち着きや論理的思考が育つと言われているよ!
「秩序」が守られた環境に、子どもは安心できます。この安心感から、子どもは落ち着きを手に入れ、落ち着いた生活を送ることができるようになります。
また、「いつもと同じ」という外的な秩序により、子どもは自分の内的な秩序を作ることができます。これは、物事を整理するなどの論理的思考を育むことに繋がり、数や言語の理解を深めることもできるのです。
大人の関わり方のポイント
お出かけ前など忙しいときに「ちがう!!!」と癇癪が起きるのは大変ですよね。この大変な時期を乗り越えるためには、以下のような対処法が必要となります。
- イヤイヤは「わがまま」ではなく「防衛反応」であることを理解する
- 子どもの「こだわり」を理解する
- 「いつもと同じ」を大切にする
- 「いつもと違う」に大人が気づく
- いつもと違う時は、事前に伝える
- イヤイヤ期と重なることもあり、つい“わがまま”と捉えがちな秩序の敏感期ですが、まずは「秩序を守るための防衛反応」であることを理解しましょう。
- 子どももすべてにこだわりがあるわけではないため、どのこだわりを大切にしているのか、そしてこだわる部分がどう変化していくのかを観察してみてください。(娘は、“娘の言った言葉を一語一句間違わずに私が繰り返すこと”に強くこだわる時期がありました笑。)
- この時期は、できるだけ「いつもと同じ」を心がけて環境を整えるようにしましょう。感覚的に1週間〜1ヶ月でこだわりポイントが変わっていくので、特に子どもが大切にしている「いつもと同じ」は守ってあげると良いと思います。
- 逆に、子どもがイヤイヤしている時は、大人には気付かない些細な変化が原因の可能性があります。小さな環境の変化がないか、考えてみてください。「いつもと違うのが嫌だったんだね」と理解を示すことで、子どもの心が落ち着くこともあります。
- いつもと違うことをするときは、できるだけ事前に伝えることをおすすめします。特に引っ越しや転園など環境が大きく変わる時は、事前に何が起こるか、どのような変化があるかを子どもに伝えてあげると、ショックが和らぐことがあります。
「秩序の敏感期」過ぎてしまった場合は?
うちの子、もう3歳過ぎてて「秩序の敏感期」過ぎちゃったかも・・・という方もいらっしゃいますよね。
私自身、「秩序の敏感期」を知ったのはイヤイヤ期が終わった後でした。もっと早くに知っていたら・・・と思うこともありますが、決して今からでも遅くありません。
今からであっても、できるだけ「いつもと同じ」を大切にして外的な秩序を守ってあげるように心がけましょう。この心がけを親が持つだけでも、子どもの安心感はグッと上がります。
「秩序の敏感期」について知ったその日から、ぜひスタートしてみてください。
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まとめ
モンテッソーリ教育の「秩序の敏感期」とは、子どもが「いつもの同じ」に安心感を見出すために、物事の場所や順序、習慣などに強いこだわりを持つことです。
忙しいときに「ちがう!!!」と癇癪が起きるのは大変ですが、以下のポイントを意識して関わるようにしましょう。
- イヤイヤは「わがまま」ではなく「防衛反応」であることを理解する
- 子どもの「こだわり」を理解する
- 「いつもと同じ」を大切にする
- いつもと違う時は、事前に伝える
「秩序」が守られた環境により、子どもは落ち着きや論理的思考を育むことができるようになります。
「秩序の敏感期」について知ったその日から、ぜひスタートしてみてください。


