モンテッソーリ教育

子どもの才能を伸ばす!|モンテッソーリ教育「運動の敏感期」を逃さない子育て

今回は、モンテッソーリ教育「運動の敏感期」について詳しく解説していきます。

「運動の敏感期」を学ぶことで、目の前の子どもが成長するために必要な環境(教具)が理解できるようになります。子どもの「一人でできる」を増やすだけではなく、子どもの能力も伸ばすことができるため、参考にしてみてください。

このブログを読めばわかる!
  • モンテッソーリ教育「運動の敏感期」とは?
  • 3歳までに身につけたい動作13選
  • 能力を伸ばすためのスモールステップ法
  • 小学校入学前までに身につけたい能力
是非活用してね!

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モンテッソーリ教育の敏感期とは?

敏感期とは、「一つの発達を遂げるための、強い興味や関心が芽生える時期」のことです。

子どもは、自分の置かれている環境に積極的に関わっていきます。それは、今どんな能力を伸ばせばよいのか探しているからであり、感受性が豊かになっている時期なのです。

たぬさん

赤ちゃんがリモコンやティッシュを見つけて遊んでいたり、大人が教えなくてもつかまり立ちできる場所を見つけたりするのは、この「敏感期」が関わっているんだね。

子どもには自分を発達させる力があり、発達の課題として敏感期が現れます。敏感期は、発達の目印でもあるのです。

大人は敏感に「敏感期」に気づき、子どもが安全に集中できる環境を用意することが大切です。「敏感期」を理解することで、子どもの行動を抑えつけたり無視したりすることを避けることができます。

「敏感期」の種類と時期

幼少期の子どもたちには、いくつかの特徴的な敏感期が現れます。

  1. 言語の敏感期
  2. 秩序の敏感期
  3. 運動の敏感期
  4. 感覚の敏感期
  5. 数の敏感期
  6. 文化の敏感期
たぬさん

今回は、運動の敏感期について、詳しく説明します。

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運動の敏感期

運動の敏感期とは、生活に必要な運動能力を身につける時期のことです。

⚪︎運動は、「座る」「立つ」「歩く」といった全身(粗大)運動と、「握る」「つまむ」といった主に指先を使う微細運動に分かれます。どちらの運動も相互し合っており、生活に欠かせない能力となります。

たぬさん

運動というと体操や筋トレといった体育的なものを想像しますが、日常生活で必要となる“動き”全般を指します。

⚪︎子どもが自分の体を思い通りに使えるようになり、日常生活に必要な動きを学ぶ活動を、モンテッソーリ教育では「日常生活の練習」といいます。

⚪︎6ヶ月〜4歳半頃までの敏感期になりますが、0〜3歳と3歳以降で性質が少し異なってきます。

0〜3歳:運動機能そのものの獲得

3歳ごろまでは、「立ち上がり歩く」といった全身運動を獲得することが主になります。「立ち上がり歩く」能力を獲得することで、手指が自由になって道具を使えるようになり、喉のスペースができて言語が話せるようになります。

たぬさん

この時期は早期教育に走りすぎず、すべての基礎となる全身運動をしっかりと習得できるようにサポートしましょう。

微細運動では、まずは「基本となる動き」を獲得することが大切です。基本となる動きは、13個あり、日常生活を自立して送るために不可欠な能力となります。

【3歳までに身につけたい基本の動き 13選】

1.落とす 2.たたく 3.ひっぱる 4.とおす 5.そそぐ 6.はめこむ 7.はさむ

8.ねじる 9.うつす 10.切る 11.貼る 12.掛ける 13.とめる

『子どもの才能を伸ばすモンテッソーリ教具100』p.55

この基本の動きを身につける方法については、後ほど解説します。

3〜6歳:運動を調整・洗練させる

3歳以降になると、獲得した動きに意思を持って磨きをかけるようになります。これまでに獲得した動きが基礎となり、自分で着替えたり、靴を履いたり、歯磨きをしたりと、日常生活でできることが増えていきます。

たぬさん

本人の意思が芽生えるからこそ、子どもの能力にマッチした教具を用意し、やりたいことを選べる環境作りを意識しましょう。

基本の動きを獲得するためのステップ

子どもは、ある日突然はさみで紙を切ったり、コップに水を注いだりできるわけではありません。その前段階の動きができてこそ、次の動きに移行することができます。

たぬさん

モンテッソーリでは「スモールステップ」を重視しており、早ければ良いというわけではありません。

では、それぞれの動きを伸ばすためのステップを見ていきましょう。(※紹介する順番は、引用著書とは異なります。)

1.落とす:手指を自由に使う

「落とす」動きは、手指でモノを掴んで離すことから始まります。徐々に掴むモノを小さくして指先の力を鍛え、穴という狙った場所に落とす練習をすることで目と手を連動させる練習をしましょう。

2.たたく:手指を自由に使う

「たたく」動きは、自分の手や自分の握ったモノが太鼓に当たり、「ゴン」という音や、手に伝わる振動を感じることから始まります。

棒状のモノを力強く握るためには、親指と他4指を向かい合わせる必要があり、霊長類だけができる動きです。指の使い方、目と手の連動させ目標物をたたくこと、そしてたたく時の手首の力加減を学ぶことで、打楽器の演奏や制作活動に発展することができます。

左右の手指を独立させて別の動きができるようになるのは、3歳以降と言われています。ピアノやギターといった楽器を演奏するために必要な能力となるため、幼少期に手指を繊細に動かす練習をたくさん積むようにしましょう。

3.ひっぱる:手指を自由に使う

手でモノを掴む動きを獲得すると、手指や腕を使って「ひっぱる」動きに興味を持ち始めます。握って「ひっぱる」ことでモノが動くというのは、子どもにとっては大きな発見です。

たぬさん

ティッシュやトイレットペーパー、台所の引き出しなど、生活で使うものもひっぱります。イタズラと思ったり、片付けが面倒くさくならないように、子どもが満足できるまで繰り返せる「教具」をぜひ準備してみてください。

4.とおす:目と手を連動させる

「とおす」動きは、「落とす」動きの発展です。目と手を連動させて狙いを定める力を獲得すると、小さな穴に「とおす」動きに興味を持ち始めます。そして、左右それぞれ違う目的で動かす「ひもとおし」や「縫い差し」ができるようになります。

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5.はめこむ:目と手を連動させる

手指を自由に使う能力を獲得すると、手に持ったモノを何かに入れて「はめこむ」ことに興味を持ち始めます。「はめこむ」ためには、モノの大きさや形を認識する必要があり、図形や立体感覚が養われます。

たぬさん

子どもが自分で考えてできるように、子どもの能力に合った教具を用意するようにしましょう。

6.貼る:目と手を連動させる

「貼る」動きは、指先をうまく使って“つぼめる”必要があります。まずは自分でシールを摘んで剥がし、自由に「貼る」ところから始めましょう。目と手の連動を積み重ねることで、目標に貼ることができるようになります。

たぬさん

狙った場所に「貼る」という成功体験により、自己肯定感も高まります。100均でも買えるので、ぜひ楽しくシール張りをしてみてください!

7.掛ける:目と手を連動させる

服をハンガーに掛けて吊るしたり、靴下を履いたり、「掛ける」という動作は日常生活に溢れています。この動きも、手指や手首を自由に動かし、目と手を連動させ、集中する力が必要となります。1歳半ごろから、「掛ける」動きを意識的に取り入れましょう。

たぬさん

「掛ける」動作に慣れてきたら、子どもサイズのハンガーラックなどを用意し、自分のことを自分でできる環境を用意するのもお勧めです。

8.とめる:道具を理解する

「とめる」動きは、自分で服を着るために必要な能力です。例えば、靴を履くという動きには、まずマジックテープを剥がし「とめる」動きがあります。子どもにとってはマジックテープを剥がし「とめる」ことは難しいため、靴を履くという動きから切り取って練習できる教具を活用しましょう。

たぬさん

ボタンを「とめる」という動きの中にも、多くの工程があります。どの動きで困っているかをよく観察し、子どもが少し頑張ればできる教具を準備するようにしましょう。

9.はさむ:道具を使いこなす

箸やはさみを使うなど、日常生活で欠かせない高度な動作が「はさむ」です。本格的に生活で活かせるようになるのは、2歳半〜3歳以降です。指先を自由に使えるようになる2歳ごろから、徐々に「はさむ」動きが獲得できる教具を用意しましょう。

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10.うつす:道具を使いこなす

「うつす」という動きは、特に食事の際に必要となる能力になります。スプーンなどの道具で「うつす」には、手の延長上の道具の先にあるモノを意識しなければなりません。手指や手首を自由に動かす力や、目と手を連動させる能力が必要となる、子どもにとって難易度の高い動きです。

たぬさん

食事中にこぼして注意を受けることを極力避けるため、教具で繰り返し練習できるようにしましょう。

11.切る:道具を使いこなす

「切る」動きは、料理をする際に欠かせない能力になります。幼少期から「切る」動きに慣れることで、早いうちから料理も自分でできるようになります。大人になってから習得することもできますが、危険な道具の取り扱い方も教えるチャンスになります。

12.ねじる:手首を使う

「ねじる」動きは、手指だけではなく手首を使います。鍵や蛇口が自動になっていたり雑巾を使わなくなったりと、現代社会では「ねじる」動きが少なくなっています。子どもにとっても難しい動作なため、徐々にレベルを上げることがポイントになります。

13.そそぐ:手首を使う

お茶を注ぐ、ペットボトルを傾けて飲む、カレーのルウを注ぐなど、「そそぐ」という動きは日常生活に溢れています。子どもは大人の真似をしたがりますが、こぼさず「そそぐ」ためには、動きを自制しなければなりません。失敗と挑戦を繰り返せるように、まずは固形の粒から始めましょう。

たぬさん

子どもにとって動くことは簡単ですが、動きを途中で止めたり、ゆっくりと動くことは難しいそうです。自分の力を自分で制する「自制」ができるよに、練習できる環境を用意しましょう。

小学校入学前に身につけたい動き

3歳以降は、0〜3歳で獲得した基本となる動きを日常生活で使いこなす段階に入ります。小学校入学前までに身につけたい動きをあげます。

  1. 授業で必要な能力→「書く、塗る」
  2. 制作で必要な能力→「折る、切る、貼る」
  3. 身支度をする能力→「着る、履く、掛ける、とめる、結ぶ」
  4. 食事で必要な能力→「はさむ、そそぐ」

子どもが「一人でできる」ことを増やせるように、日々の積み重ねを意識してみてください。

たぬさん

敏感期を逃しても、スモールステップを忘れずに練習をすればできるようになります。子どもの頑張っている姿を、焦らず見守ってあげてくださいね。

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たぬさん
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