「格子編み」は、モンテッソーリ教育の日常生活の練習で行われる活動の一つです。

細長い紙やフェルトを「上・下・上・下」と交互に通していくシンプルなおしごとですが、その中には、手先の器用さだけでなく、順序立てて考える力や集中力など、たくさんの学びが詰まっています。

モンテッソーリ教育出身として知られる藤井聡太棋士が、幼少期に夢中になって取り組んでいた活動として紹介されたことでも有名になりました。

今回は、格子編みで育つ力や、おうちでの進め方、提示のコツ、ステップアップの方法まで詳しくご紹介します。

🌱 活動ひとめメモ

📌 おすすめ度
★★★★

📅 対象年齢
4〜6歳頃(準備活動は2歳半頃から)

活動時間
5〜20分程度

🌱 身につく動き
「とおす」

👧 こんな子におすすめ
☑️ 通す活動が好き
☑️ シール貼りや縫い刺しを楽しんでいる
☑️ 繰り返しの活動が好き
☑️ 集中して取り組む活動が好き

格子編みってどんな活動?

格子編みは、細長い紙やフェルトを交互に通して、一枚の模様を作る活動です。

モンテッソーリ教育では、「通す」という日常生活の動きを、子どもが繰り返し楽しめるようにしたおしごととして取り入れられています。

一見すると「紙を通すだけ」の活動に見えますが、

  • 交互に通す規則性
  • 左右を確認する
  • 順番を考える
  • 力加減を調整する

など、多くの要素が含まれています。

だからこそ、子どもは夢中になり、大きな達成感を味わえる活動でもあります。

この活動で育つ力

格子編みは、ただ紙を編むだけではありません。実は、一つの活動の中にたくさんの学びがあります。

格子編みの対象年齢や育つ力をまとめた図

🌷巧緻性(指先の器用さ)
紙を折らないようにつまみ、狙った場所へ通すことで、三本の指を中心とした細かな動きが育ちます。

🌷集中力
一本編むたびに「次はどこを通すかな?」と考えながら進めるため、自然と集中が続きます。

🌷順序性・論理的思考
「上・下・上・下」という規則を理解し、それを繰り返すことで、順序立てて考える力が育ちます。
これは、算数やプログラミング的思考にもつながる土台の一つです。

🌷空間認知
「どこを通すとどうなるか」を考えながら進めるため、位置関係を把握する力も育っていきます。

格子編みが難しい理由

「紙を通すだけなら簡単そう。」

そう感じる大人も多いかもしれません。

でも、実は格子編みは子どもにとって、とても複雑な活動です。

例えば、

  • 紙をつまむ
  • 折らないように持つ
  • 左右を確認する
  • 「上・下・上・下」の規則を覚える
  • 途中で間違えたら修正する
  • 最後まで集中する

これらを同時に行っています。

だから、難しく感じるのは自然なこと。

うまくできないからではなく、たくさんの力を一度に使っているからなのです。

提示のしかた

モンテッソーリ教育では、最初の提示(見本)がとても大切です。

ポイントは、

  • 動きをゆっくり見せる
  • 言葉はできるだけ少なくする
  • 子どもが見やすい位置で行う
  • 完成よりも「動き」を見てもらう

ことです。

途中で口頭で説明しすぎると、子どもは「見る」より「聞く」ことに意識が向いてしまいます。

まずは、大人の手の動きをじっくり見てもらうことを大切にしましょう。

おすすめの4ステップ

格子編みは、一見シンプルな活動に見えますが、

  • 通す
  • 交互に編む
  • 力加減を調整する
  • 順番を覚える

など、たくさんの課題が含まれています。

そのため、最初から完成形を目指すのではなく、子どもの様子に合わせて少しずつ難易度を上げていくのがおすすめです。

年齢はあくまで目安です。大切なのは、「今の子どもが楽しみながら取り組める難しさ」を選ぶことです。

格子編みの4ステップをまとめた図

🌱STEP1 「通す」を楽しむ

まずは、「通す」という動きそのものに慣れることから始めます。

ダンボールやフェルトなどに2〜3本だけ切り込みを入れ、太めのフェルトや布テープを一本ずつ通してみましょう。

この段階では、「上・下」の規則を理解する必要はありません。

大切なのは、

  • 穴を見つける
  • 通す
  • 最後まで引き抜く

という一連の動きを楽しむことです。

「できた!」という成功体験を積み重ねることが、次のステップにつながります。

🌿STEP2 「交互」を知る

一本通すことに慣れてきたら、いよいよ格子編みに挑戦します。

ここで初めて、

「上・下・上・下」

という規則性が登場します。

一般的にはフェルトの台紙とフェルトの帯が扱いやすいと言われますが、素材に決まりはありません。

我が家では、

フェルト(EVAスポンジシート)の台紙 × 画用紙の帯

の組み合わせが一番取り組みやすそうでした。

フェルトの台紙は切り込みが広がりやすく、通す場所が分かりやすい一方で、画用紙の帯はほどよい硬さがあるため、先端が曲がりにくく、子ども自身で狙った場所へ通しやすかったように感じています。

子どもによって扱いやすい素材はさまざまです。

「フェルトだから簡単」「画用紙だから難しい」と決めつけず、お子さんが取り組みやすい組み合わせを探してみるのもおすすめです。

🌸STEP3 「細かく」「きれいに」編む

規則性が理解できるようになったら、少しずつ難易度を上げていきます。

例えば、

  • 帯の幅を細くする
  • 編む本数を増やす
  • 一本編むごとに奥まで詰める

など、新しい課題が加わります。

特に画用紙は、フェルトよりも破れやすいため、「そっと引っ張る」という繊細な力加減も必要になります。

そのため、いきなり市販の細い教材へ進むのではなく、

まずは幅2〜3cm程度の太めの画用紙で慣れてから、少しずつ細くしていくと、無理なくステップアップできます。

🌼STEP4 作品づくりを楽しむ

格子編みに慣れてきたら、作品づくりにも挑戦できます。

例えば、

  • ハートバッグ
  • フェルトバッグ
  • コースター
  • ランチョンマット
  • 季節の飾り

など、編む楽しさが「作る楽しさ」へと広がっていきます。

格子編みの発展活動と作品例

特にハートバッグは、平面の格子編みとは違い、「輪の中を通す」という新しい考え方が必要になるため、空間認知や論理的に考える力も育ちます。

完成したバッグにお気に入りのおもちゃやお手紙を入れて遊べるので、「また作りたい!」という気持ちにつながる子も多い活動です。

💡ステップアップは「年齢」より「子どもの姿」で

「4歳だから次のステップへ」

「もう細い格子編みにした方がいいかな?」

そんなふうに迷うこともあるかもしれません。

でも、モンテッソーリ教育では、年齢よりも子どもの姿を大切にします。

格子編みのステップアップの目安チェックリスト

例えば、

☑️ 大人の手伝いなしで最後まで完成できる
☑️ 「上・下・上・下」の規則を理解している
☑️ 間違えても自分で気づいて修正しようとする
☑️ 一本編むごとに、奥まできれいに詰められる

そんな姿が見られるようになったら、次のステップへ進むタイミングかもしれません。

反対に、太い帯の方が集中できる子や、「できた!」という達成感を味わえている子なら、そのまま同じステップを楽しむことも大切です。

子どもによって、得意なことや興味を持つタイミングはそれぞれ違います。

「何歳だから」ではなく、「今、この子が楽しみながら挑戦できる難しさ」を選ぶことが、おうちモンテッソーリでは何より大切だと感じています。

まとめ

格子編みは、紙を通すだけの活動ではありません。

その中には、

  • 手先の器用さ
  • 集中力
  • 順序性
  • 空間認知
  • 論理的に考える力

など、多くの力が育つ要素が詰まっています。

そして、モンテッソーリ教育らしい魅力は、「難しいことを、一度に求めない」こと。

子どもの発達に合わせて課題を少しずつ分けながら、「できた!」を積み重ねていける活動です。

格子編みは、「上手に編めること」が目的ではありません。

一つひとつ試しながら、「できた!」を積み重ねていく過程そのものが、子どもの成長につながっています。

お子さんのペースを大切にしながら、その小さな積み重ねを一緒に楽しんでいけたら素敵ですね。🌷

格子編みを通して育つ力をまとめたイラスト

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